2025.04.16

非常用発電機の法令点検とは? 〜消防法・建築基準法に基づく点検と負荷試験の義務〜

最終更新日:2025.04.16
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  • 法律
非常用発電機の法令点検とは? 〜消防法・建築基準法に基づく点検と負荷試験の義務〜

 

 

非常用発電機の法令点検とは?
〜消防法・建築基準法に基づく点検と負荷試験の義務〜

災害や停電などの非常時に確実に電力を供給するために欠かせない「非常用発電機」。しかし、長期間使用しないことで「いざというとき動かない」という事態を避けるために、法令では定期的な点検や性能確認が義務付けられています。この記事では、消防法や建築基準法に基づく点検項目と頻度、負荷試験の法定義務について、分かりやすく解説します。

非常用発電機に関わる主な法令

  • 消防法:機能点検(年2回以上)、総合点検(年1回以上)、法定負荷試験(6年に1回以上)
  • 建築基準法:建築設備定期検査(年1回)
  • 電気事業法:技術基準適合点検(主に高圧設備、設置時・変更時)

法令点検の内容と頻度一覧表

法令 点検種別 頻度 主な点検内容 実施者
消防法 機能点検 年2回以上 ・始動性能(自動/手動)
・運転状態
・燃料・オイル・冷却水の確認
・異音・振動・警報表示の確認
消防設備士、または有資格業者
消防法 総合点検(※通常の負荷運転含む) 年1回以上 ・実負荷または疑似負荷による運転試験
・電圧・周波数・出力の測定
・燃焼状態、排気ガス、運転中の安定性の確認
同上
消防法 法定負荷試験(消防法第24条) 6年に1回以上 ・定格出力の30%以上の負荷を30分以上連続でかける試験
・実負荷(設備接続)またはロードバンク(疑似負荷装置)を使用
同上
建築基準法 建築設備定期検査 年1回 ・非常照明・排煙設備・非常用EVとの自動起動の連動確認
・発電出力が設計値を満たしているかの性能確認
建築設備検査資格者(第三者機関)
電気事業法 技術基準適合点検(※主に高圧設備) 設置時または変更時 ・高圧機器の絶縁抵抗・接地抵抗測定
・保護装置の動作確認
・電路・系統の安全性確認
電気主任技術者(社内・外部委託含む)

補足:「法定負荷試験」について

消防法施行規則 第12条の8の2により、非常用発電機には6年に1回以上、定格出力の30%以上の負荷を30分以上連続でかける負荷試験が義務付けられています。
疑似負荷(ロードバンク)でも実施可能ですが、可能であれば実負荷(実際の設備接続)による試験が推奨されています。
負荷試験を行わない場合は、内部観察(潤滑油の分析・燃料劣化の確認・冷却水の状態点検など)による代替措置が必要です。

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法令で定められた点検・報告に加え、日常点検や計画的なメンテナンスによって、「非常時に確実に動く設備」としての価値を維持しましょう。
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