2025.04.04

①非常用発電機とは何か?仕組みと必要性をわかりやすく解説

最終更新日:2025.10.27
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①非常用発電機とは何か?仕組みと必要性をわかりやすく解説

非常用発電機とは何か?仕組みと必要性をわかりやすく解説

災害や停電時にバックアップ電源として活躍する非常用発電機。病院や商業施設、オフィスビル、工場など、あらゆる現場でその必要性が高まっています。
本記事では、非常用発電機の基礎知識から設置・運用のポイント、安全対策やメンテナンスの重要性まで、わかりやすく解説します。

非常用発電機とは?

非常用発電機とは、商用電源が停電した際に自動または手動で起動し、電力を供給する装置です。停電時でも照明・通信設備・ポンプなどの重要機器を稼働させるためのバックアップ電源として、災害対策や事業継続(BCP)に欠かせない設備です。

重要:消防庁告示「自家発電設備の基準」により、停電時は原則自動で電圧確立・投入され、40秒以内に送電可能であることが求められます(常駐管理がある場合の手動投入は例外)。

なぜ非常用発電機が必要なのか?

  • BCP対策:停電による業務停止を防ぎ、復旧を迅速化
  • 人命保護:エレベーター・非常照明・医療機器等の電源確保
  • 法令対応:建築基準法・消防法で設置・点検・届出が求められる場合あり
  • 信頼性向上:災害時も稼働継続できる体制は社会的信用につながる

消防設備に必要な非常電源

消防法令では、対象となる消防設備に非常電源(非常電源専用受電設備・自家発電設備・蓄電池設備・燃料電池設備)の確保が求められます。対象設備や建物条件に応じて方式を選定します。非常用発電機はその一方式として機能し、設置が法的に求められるケースもあります(例:告示7号:キュービクル式非常電源専用受電設備)。

消防法上の申請フロー(例:東京都)

1) 計画段階:設置要否、仕様(出力・接続先)、設置場所を決定

2) 着工前の届出:設置計画届 または 着工届工事着手の10日前までに提出(設備種別によりいずれか。常に両方ではありません)。

3) 工事の実施:設置・配線・試運転を実施

4) 完了届出・検査:設置届工事完了後4日以内に提出。所轄消防署の原則検査を受ける。

5) 維持管理:機器点検6か月に1回、総合点検1年に1回。
運転性能点検(負荷運転/内部観察等)は、2018年改正により予防的保全策が講じられる場合6年に1回へ延長可。点検・報告の周期(特定1年/非特定3年)は東京消防庁Q&Aを参照。

非常用発電機の種類と選び方

種類 特徴 向いている施設
ディーゼル式 高出力・信頼性が高い/燃料保管が必要 工場・病院・大規模施設
ガス式 都市ガス使用/環境性・静音性に優れる 商業施設・都市部のビル
可搬型 移動可能で設置が簡単(消防設備接続時は切替盤・接地・保護協調の設計が必要) 仮設事務所・工事現場

ガス式の留意点:告示1号により、地表面水平加速度400ガル後でも燃料供給が維持されること、外壁貫通部の緊急ガス遮断装置などが求められます。

選定時のポイント:必要出力(余裕を持った容量)、設置スペース、燃料確保体制、騒音・排気対策、系統切替方式(手動/自動)を総合検討。

設置のポイントと注意点

  • 屋内/屋外の別:建物構造・防災計画に応じて選定
  • 換気・排気経路の確保:排ガス・熱の適切処理
  • 振動・騒音対策:防振ベース・防音ボックス
  • 定格出力の余裕:実負荷よりマージンを確保
  • ATS(自動切替盤)の定期試験計画/無停電が必要な負荷はUPS併用
  • 告示要件に合致する始動時間(40秒以内)・連続運転時間の確認

安全に使うためのポイント

  • 一酸化炭素中毒防止:換気の良い場所に設置
  • 感電防止:適切な接地(アース)を実施
  • 過負荷防止:定格出力内で運用
  • 燃料劣化・漏れ防止:燃料・配管の定期点検

メンテナンス・日常点検の重要性

一般的な寿命は10〜15年程度ですが、使用頻度・設置環境・保全状況で変動。法定点検は機器:6か月ごと/総合:年1回。加えて、運転性能点検(負荷運転または内部観察等)予防的保全策が講じられる場合6年に1回へ延長可能です(詳細:東京消防庁「自家発電設備の点検」)。

  • 燃料・オイルの漏れ確認
  • バッテリー・電圧チェック
  • 異音・異臭・振動の確認(試運転時)
  • 無負荷の始動試験

よくある質問(FAQ)

Q1. 寿命は?
適切なメンテで10〜15年程度。定期点検と消耗品交換がポイント。

Q2. 騒音対策は?
防音型機の採用、防音ボックス・遮音壁、防振対策を併用。

Q3. 申請は必要?
消防法に基づき、着工前(計画/着工)完了後(設置)の届出が必要(東京都例:着工10日前、完了4日以内)。規模・電圧により電気事業法(工事計画届:届出が受理された日から30日経過後に着工可)や電気工事士法が関係。
例:受電電圧1万V以上の需要設備の設置は工事計画届の対象受理後30日経過で着工可)。

非常用発電機は備えの基本

非常用発電機は災害時だけでなく、日常の安心を支える重要設備です。設置・選定に迷う場合は、実績のある専門業者へご相談ください。

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⚠️ 法令・通達は改正される場合があります。最新情報は必ず所轄官庁の公表資料をご確認ください。

最終更新日:2025-10-12(JST)