②非常用発電機の出力別・設置工事や申請手続きに必要な資格・関連法令 一覧
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(情報整理:2026年3月時点)
非常用発電機に必要な資格・届出・手続き|電気工事士・主任技術者・工事計画届を実務で整理
非常用発電機の設置工事や届出は、単純に「何kVAか」だけでは決まりません。実務では、一般用電気工作物か自家用電気工作物か、発電設備の出力、受電電圧、非常用予備発電装置工事に該当するかで、必要な資格や手続きが変わります。
特に、病院・工場・ビル・公共施設では、電気事業法だけでなく、建築基準法や消防法との取り合いも発生します。見積り段階で「発電機本体」だけを見るのではなく、どの建物に、どの盤へ、どの電圧で、どの設備をバックアップするかまで整理しておくことが重要です。
法的な定義や手続き確認は、関東東北産業保安監督部のFAQ、一定出力以上の可搬型・非常用発電設備の案内、電気工事士等の従事範囲の整理をあわせて見ると分かりやすいです。
先に結論:まず押さえたい4つのポイント
- 内燃力を原動力とする発電設備は、出力10kW以上(若しくは12.5kVA以上)が手続き確認の大きな目安です。
- 自家用電気工作物に該当する場合は、保安規程と電気主任技術者の整理が必要です。
- 工事計画届は、「受電電圧1万V以上の需要設備の新設」や「一定の変更工事」、「ばい煙発生施設に該当する非常用予備発電設備」などで対象になります。
- 工事資格は一律ではなく、第2種・第1種・認定電気工事従事者・特種電気工事資格者(非常用予備発電装置工事)を区分して確認します。
まず確認する4項目
1.一般用か自家用か
例えば、他の者から600Vを超える電圧で受電している、または構内に小出力発電設備以外の発電設備がある場合は、自家用電気工作物として整理する可能性が高くなります。
2.発電設備の出力
内燃力を原動力とする発電設備は、出力10kW未満か、10kW以上かで扱いが大きく変わります。官公庁の案内では、出力10kW以上(若しくは12.5kVA以上)が手続き確認の目安として示されています。
3.接続先の電圧と設備構成
低圧盤への接続か、高圧受電設備側の工事かで、必要な資格・届出が変わります。ATS、自動始動盤、配電盤、ケーブル、接地を含めて一体で確認してください。
4.工事区分
非常用発電機の工事でも、法令上は非常用予備発電装置工事として扱う区間があります。この区分は、通常の自家用電気工作物の工事と資格整理が異なります。
出力帯ごとの実務上の見方
以下は営業・計画段階の目安です。法令上の最終判定は、受電条件・発電設備出力・需要設備の最大電力・工事区分で行ってください。
① 〜10kVA程度
- 小規模店舗・事務所の一部照明、通信機器、簡易バックアップで検討されやすい帯です。
- 一般用電気工作物の範囲であれば、低圧工事は第2種電気工事士が関係する基本帯です。
- ただし、消防用設備等の非常電源に絡む場合や、建物全体が自家用電気工作物である場合は、単純に「小さいから簡単」とは言えません。
② 10〜50kVA程度
- オフィス、医療機関、公共施設、マンション共用部などで採用されやすい帯です。
- この帯からは、出力10kW以上(若しくは12.5kVA以上)に該当しないかを必ず確認してください。
- 接続先や工事区分によって、第1種電気工事士、認定電気工事従事者、特種電気工事資格者の整理が必要になります。
③ 50kVA以上
- 病院、工場、データ設備、重要インフラ、災害対応拠点などで検討されやすい帯です。
- 容量が大きくなるほど、受電電圧、需要設備の最大電力、工事計画届、消防・建築との取り合いが重要になります。
- 設計段階で、産業保安監督部・所轄消防・設計者・施工会社との事前確認を進めると手戻りを減らしやすくなります。
主な資格の整理
第2種電気工事士
主に一般用電気工作物の電気工事で必要となる基本資格です。小規模な低圧工事の検討で、最初に確認する資格です。
第1種電気工事士
主に最大電力500kW未満の需要設備及び一般用電気工作物の電気工事で必要となる資格です。ネオン用設備と非常用予備発電装置工事は除かれるため、非常用発電機案件では特種電気工事資格者の要否を別途確認する必要があります。
認定電気工事従事者
電圧600V以下で使用する自家用電気工作物(最大電力500kW未満の需要設備)の工事区分で必要になる資格です。
特種電気工事資格者(非常用予備発電装置工事)
自家用電気工作物(最大電力500kW未満の需要設備)のうち、非常用予備発電装置工事で必要になる資格です。非常用発電機の案件では、ここを見落とすと資格整理を誤りやすくなります。
なお、需要設備の最大電力は、受電だけの施設では契約電力等で見ますが、自家用発電設備を有する場合は契約電力と自家用発電所の最大電力の合計で見ます。大きい案件ほど、この確認が資格区分と手続き判断に直結します。
工事計画届で誤解しやすいポイント
- 「受電電圧1万V以上なら全部同じ」ではありません。 代表例は、受電電圧1万V以上の需要設備の新設です。
- 既設設備の変更工事でも、受電用遮断器や一定規模以上の機器の更新など、対象となる工事があります。
- ばい煙発生施設に該当する非常用予備発電設備も、工事計画届の対象になる場合があります。目安として、ディーゼル機関・ガスタービンは重油換算50L/h以上、ガソリン機関・ガス機関は35L/h以上です。
- 工事計画届の対象工事は、受理後30日を経過するまで着工できません。
- 工事計画届(需要設備)を提出した場合は、原則として、工事完了後、使用前に使用前自主検査を実施し、これに合格したのちに使用を開始します。なお、非常用予備発電装置の設置・変更・改造など、使用前自主検査が不要とされる整理もあるため、個別案件で確認が必要です。
電気主任技術者と保安規程の考え方
自家用電気工作物に該当する場合、設置者は保安規程を定め、電気主任技術者を選任し、所轄の産業保安監督部へ届け出る必要があります。
特に見落としやすいのが、主任技術者は工事着手までに選任が必要という点です。工事に入ってから探すのでは遅いケースがあります。主任技術者選任の届出、保安規程の届出はいずれも遅滞なく行う整理です。
また、条件を満たせば外部委託が可能な場合もあります。社内で有資格者がいない場合は、見積り前の段階から保安法人や管理技術者を含めて相談するとスムーズです。
建築基準法・消防法との関係
- 建築基準法では、排煙設備、非常用の照明装置、非常用エレベーターなどで予備電源が求められる場合があります。
- ただし、建築基準法で求める予備電源は、火災時の避難・救出を主目的とする整理であり、建物全体の事業継続や機能維持とは目的が異なります。
- 消防法では、消防用設備等に接続する自家発電設備の点検、保有距離、設置場所、燃料の貯蔵・取扱いなどを確認する必要があります。
- 消防用設備等の非常電源として設置されている自家発電設備は、電気主任技術者と防火管理者の立会いのもとで点検を行うことが望ましいとされています。
つまり、非常用発電機は電気だけの話で完結しない設備です。電気・建築・消防の3方向で整合を取ることが、後工程の手戻り防止につながります。
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設置・維持管理で見落としやすい点
- 始動確認と試運転:非常用発電機は待機設備なので、バッテリー劣化、燃料劣化、始動不良の見落としが起こりやすい設備です。
- 盤・切替装置との整合:発電機本体だけでなく、ATS、自動始動盤、配電盤、ケーブル、接地まで一体で確認する必要があります。
- 燃料管理:軽油・灯油・ガソリンなどの燃料種別と保管量によって、消防法上の扱いが変わります。
- 点検計画:消防点検、保安規程に基づく維持管理、負荷運転の計画をばらばらにせず、できるだけ連動させると管理しやすくなります。
- 事前協議:案件ごとの差が大きいため、所轄の産業保安監督部・消防署・設計者・施工会社への事前相談が実務上有効です。
公的な確認先
- 関東東北産業保安監督部:自家用電気工作物に関するFAQ
- 関東東北産業保安監督部:自家用電気工作物を新設する場合
- 関東東北産業保安監督部:既設の自家用電気工作物について変更の工事を行う場合
- 中部近畿産業保安監督部:一定出力以上の可搬型・非常用発電設備の手続き案内
- 中部近畿産業保安監督部近畿支部:認定電気工事従事者及び特種電気工事資格者の各種手続き
- 経済産業省:特種電気工事資格者
- 経済産業省:認定電気工事従事者
- 中部近畿産業保安監督部:工事計画に関する手続き
- 消防庁:第24 非常電源(自家発電設備)
- 国土交通省:建築基準法における電気設備の規定について
関連コラム・便利なツール
非常用発電機の資格・届出は、「小さいから簡単」「高圧だから全部同じ」では整理できません。発電設備の出力、受電条件、工事区分、建築・消防との関係を早い段階で確認することが、手戻りを防ぐ最短ルートです。
⚠️ 法令・通達は改正される場合があります。最新情報は必ず所轄官庁の公表資料をご確認ください。
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