2025.04.04
②非常用発電機の出力別・設置工事や申請手続きに必要な資格・関連法令 一覧
最終更新日:2025.04.04
- 知識
- 法律

非常用発電機とは?
非常用発電機は、停電や災害などの緊急時に建物内や施設内の重要な設備へ電力を供給するために 常設される発電機です。電力会社からの電力供給が途絶した際にも、安全確保や事業継続を目的として、 照明・避難用設備・通信装置・医療機器などに電力を供給します。
一般的にはビルや工場、病院、商業施設、公共インフラなどで採用されることが多く、 設置義務がある建物も存在します。また、設置後は定期的なメンテナンスや 試験運転が求められるため、導入から維持管理に至るまで法的要件や資格要件の確認が重要です。
非常用発電機の主な役割
- 安全確保:非常照明や防災設備(火災報知器、排煙設備など)への電力供給
- 事業継続:停電時でも事務所や工場の基幹システムを動かし、経済損失を抑える
- 医療・福祉施設の支援:人工呼吸器や医療機器が途切れなく稼働
- 通信確保:非常用の通信設備やサーバーへの電力提供
出力規模と関連資格・手続き
非常用発電機は、可搬型発電機と異なり固定設置されることが前提となるため、 建物側の設備と直接結線し、常設設備として電気事業法や消防法の適用を受けるケースがほとんどです。
発電機出力(目安) | 用途・導入例 | 必要な資格・主な手続き | 関連法令・備考 |
---|---|---|---|
〜10kVA 程度 | 小規模店舗や小型ビルの非常用電源 一部の照明や通信設備をバックアップ |
・電気工事士(第2種以上)による施工 ・消防設備と連動する場合、消防設備士(甲種4類など) |
・電気工事士法 ・消防法 ・建築基準法での非常電源設備要件(建物の用途・規模による) |
10kVA〜50kVA | オフィスビル、医療機関、公共施設など 非常照明、防災設備、IT機器などのバックアップ |
・第1種電気工事士による配線・施工 ・電気主任技術者の管理(出力や施設条件による) ・工事計画届(電気事業法)提出が必要になるケース多数 |
・電気事業法 ・消防法(連動設備・燃料管理) ・建築基準法(用途によって非常電源義務) |
50kVA以上 | 大規模ビル、病院、工場等 施設全体のバックアップや重要負荷の長時間運転 |
・電気主任技術者(常勤 or 外部委託) ・工事計画届必須 ・保安規程の作成推奨(または義務) |
・電気事業法(自家用電気工作物) ・電気設備技術基準 ・消防法(防災設備との連動、燃料取り扱い) ・建築基準法(避難・防災設備要件) |
非常用発電機に関わる主な法令
- 電気事業法
出力規模に応じて「自家用電気工作物」として管理が必要。
工事計画届や電気主任技術者の選任が求められるケースが多い。 - 消防法
非常放送設備、火災報知器、排煙設備などと連動する場合や、
燃料(重油・軽油・ガソリンなど)を保管する場合に規制がかかる。 - 建築基準法
建物の用途・規模によっては非常用電源の設置義務がある(例:高層建築物など)。
非常照明や防災設備用の電源確保が必須の場合も。 - 電気工事士法
非常用発電機を建物配線に接続する工事を行う場合、
第1種または第2種電気工事士(規模・工事内容で異なる)が必要。
設置・維持管理のポイント
- 信頼性と定期メンテナンス
非常用発電機は普段は待機状態であるため、定期的な試運転・燃料補給を怠ると
いざという時に起動しないリスクが高まります。
メーカーや保安協会の指導に従い、適切に保守点検を実施してください。 - 燃料管理
軽油・重油・ガソリンなどを大量に保管する場合、
危険物取扱者の資格や防火管理上の届け出が必要となることがあります。
事前に消防署へ相談し、保管設備や量に応じた対策を行いましょう。 - 監督官庁への事前確認
出力規模によっては工事計画届が必要になります。
産業保安監督部や消防署などに事前に問い合わせ、
地域ごとの運用や必要手続きを把握しておくとスムーズです。 - 法定検査・定期報告
自家用電気工作物として管理が必要な場合は、
年次点検や定期報告などの義務が生じます。
電気主任技術者や専門業者と連携して確実に対応しましょう。
便利なツール
- 負荷計算ツール
施設内で必要な電力負荷を算出し、非常用発電機の容量選定の参考に。 - ケーブル選定ツール
発電機と分電盤・負荷設備を接続するケーブルサイズを確認できます。 - 発電機.jp
各種発電機の導入事例やメンテナンス情報がまとまっています。
まとめ
非常用発電機は、停電時や災害時に人命や財産を守る要となる設備です。
そのため、電気事業法・消防法・建築基準法など多岐にわたる法令・基準の遵守が必要となります。
出力規模や建物用途によって、電気主任技術者の選任や工事計画届の提出、消防設備との連動など、
さまざまな資格・手続きが関わる点に留意してください。
また、定期的なメンテナンスと点検が非常に重要です。
「非常用」という性質上、日常的には稼働しない設備ですが、
いざというとき確実に機能するよう、適切な管理と事前準備を徹底しましょう。