故障②【発電機の出力不安定(電圧変動)対策】原因とチェックポイントを解説
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【発電機の出力不安定(電圧変動)】原因と対策を徹底解説
発電機を使用するうえで、出力電圧が不安定になる(電圧変動が大きい)と、接続機器の誤作動や故障につながる恐れがあります。
ここでは、AVR(自動電圧調整器)の故障やガバナ(調速機)の不調、過負荷など、出力不安定を引き起こす代表的な要因とチェック・対処のポイントをわかりやすく解説します。
1. 出力不安定(電圧変動)とは?
発電機の出力不安定とは、負荷や運転条件にかかわらず、発電機が安定した定格電圧を維持できない状態を指します。電圧や周波数に大きな変動が生じると、使用機器のパフォーマンスが低下したり、最悪の場合は故障を招く原因になります。
2. 主な原因とチェックポイント
出力不安定を引き起こす代表的な原因と、それぞれのチェック項目を以下の表にまとめました。
チェック項目 | 内容 | 対応 |
---|---|---|
AVR(自動電圧調整器)の確認 | AVRが故障・不調を起こしていないか | AVRの交換または修理 |
回転数の安定性 | エンジン回転数が不安定で変動していないか | 回転数の調整、ガバナ(調速機)の故障点検 |
負荷の影響 | 発電機容量を超える過大負荷になっていないか | 負荷の調整・分散、余裕のある出力の発電機を使用 |
接続端子の緩み | 発電機の出力端子やケーブルの接触不良 | 端子の締め直し、ケーブルの点検・交換 |
3. 出力不安定を防ぐためのポイント
- 定期点検の実施
AVRやガバナなど主要部品の点検・メンテナンスを定期的に行い、故障や劣化を早期発見しましょう。 - 適正な負荷管理
発電機の容量を超える過負荷状態は、電圧変動を大きくする原因のひとつです。複数の機器を同時使用する場合は、負荷の分散を検討してください。 - エンジン回転数の安定化
ガバナ(調速機)が正しく作動しないと回転数が上下し、電圧・周波数の安定が損なわれます。異常な振動や音がある場合は早めに専門業者へ。 - 接続の確認
出力端子やケーブルの緩み・摩耗による接触不良があると電圧変動が発生することがあります。定期的な締め直しとケーブル交換を行いましょう。
4. よくある質問(FAQ)
Q1. AVR(自動電圧調整器)はどのタイミングで交換すべきですか?
A. 一般的には、出力電圧が大きく変動し始めたり、調整が効かない場合に交換や修理を検討します。定期点検で異常が見つかった際にも早めの対応が必要です。
Q2. 負荷の分散はどのように行うのが良いですか?
A. 突入電流が大きい機器(モーター等)を同時に動かさないなど、運用上の工夫をすることで電圧変動を抑えられます。また、余裕のある出力容量の発電機を選定することもポイントです。
Q3. ガバナの不調はどのように見分けられますか?
A. エンジンの回転数が急に上下して音や振動が大きくなる、アイドリング時に不規則な揺れがあるなどがサインです。放置すると故障範囲が広がる可能性があるため、速やかに点検を行いましょう。
まとめ
発電機の出力不安定(電圧変動)は、主にAVRの故障、ガバナ(調速機)の不調、過負荷、接続不良などが原因として考えられます。
定期メンテナンスや負荷管理を徹底し、異常を感じたら早めに専門業者へ相談することで、安定した電力供給を維持できます。
ぜひ、日々の点検項目として今回ご紹介したチェックリストを参考にしてみてください。
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