2025.05.28
教えて発電くん!【発電機トラブルの原因とは】船舶作業中に高温&排気再吸引で10分停止!?
最終更新日:2025.05.28
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教えて発電くん!【発電機トラブルの原因とは】
船舶作業中に高温&排気再吸引で10分停止!?
船舶用発電機レンタルで800kVAクラス×10台を運転中にわずか10分でエンジン停止!? 高温環境と排気ガス再吸引が引き起こした発電機トラブルの原因と解決策を、発電くんが現地で解説します。
📞 韓国からの緊急電話!
ある夏の日、韓国から日本の営業所に1本の国際電話が入りました。
「発電機が10分で止まってしまう!10台全部だ!」
使用されていたのは船舶内での作業用に設置された800kVA級の大型発電機×10台。作業に不可欠な電源が次々とダウンするという非常事態です。
✈ 発電くん、現地に直行!
発電くんは技術スタッフを引き連れ、ただちに現場へ飛びました。問題の発電機は
船舶内部に据え付けられた大型機です。
点検を進めると、エンジンがおよそ10分で停止する原因が見えてきました。
発電くんは次の方法で状況を確認します。
- 非接触式温度計で周囲温度と排気マニホールド温度を測定
- 細長く裂いたティッシュペーパーを吸気口にかざし、揺れ方で気流を可視化
これにより、排気ガスが滞留して吸気側へ回り込んでいる箇所を特定しました。
現地は韓国南部の港湾エリア。真夏の高温に加え、
発電機は密閉された船体内部に設置されており、通風確保が難しい過酷な環境でした。
- 発電機が船舶内部に密閉設置されていた
- 運転中、周囲温度が60度以上に上昇(※経験上、発電機周囲温度が40℃を超えると、性能低下や異常停止のリスクが高まります)
- エンジンが排出した排気ガスを、滞留した空気ごとエアークリーナーが再吸引していた
- 結果として、燃焼不良・過熱保護が作動し、エンジン停止
🔧 解決策:通風確保のための船体加工
現場での迅速な判断により、船体の壁に複数の通風孔(換気穴)を開けることに。
これにより、
- 排気ガスの滞留が改善
- 周囲温度も低下
- エンジン停止は完全に解消!
発電くんの冷静な分析と現地対応で、作業は無事再開されました。

📘まとめ:船舶作業と発電機トラブル
密閉空間での発電機使用は、排熱・通風・空気の流れが命!
特に夏場の使用では、排気の再吸引や過熱による停止リスクに注意が必要です。
「発電くん」シリーズでは、こうした実例をもとにしたノウハウを今後もお届けしていきます!
発電機の選定・負荷計算・暑熱環境での使用条件にお困りの方は、以下のツールをぜひご活用ください。
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