2025.05.09
教えて発電くん!発電機 AVRの故障|よく壊れる原因とその対策
最終更新日:2025.05.09
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教えて発電くん!発電機 AVRの故障|よく壊れる原因とその対策
AVR(Automatic Voltage Regulator:自動電圧調整器)は発電機の出力電圧を安定化させる心臓部。
もしAVRが故障すると電圧が乱れ、現場全体の停電や機材の損傷を招く恐れがあります。
ここでは、よくある5つの故障原因と、今日からできる実践的対策を発電くんと一緒に学びましょう!
関連コラム:負荷計算の詳しい方法|ケーブル選定のポイント
【Genba Report #01】220 kVA発電機で突然のAVRエラー!?
建設会社の杉本さんからSOS!
220 kVA発電機で90 kW モーター(定格 180 A、突入 6 倍 ≒ 1 080 A)を起動した瞬間、電圧計が大きく揺れAVRエラーが点灯。調査の結果、突入電流と高調波がAVRに大きなストレスを与えていたことが判明しました。
適切な容量選定と高調(ノイズ)波対策をしていれば防げたトラブルでした。
【ステップ1】AVRの役割とは?
AVRは励磁電流を自動制御し、出力電圧を機種により ±0.5〜2 %の範囲に保持。
ライトのチラつきや機器の誤動作を防ぎ、病院・イベント会場など電圧変動を許されない現場で不可欠です。
【ステップ2】AVRがよく壊れる5つの原因
- 過負荷・短絡(ショート)
- 過熱・冷却不足
- 非線形負荷による高調波や瞬時電圧変動
- 雷サージ・外来ノイズ
- 経年劣化・部品寿命
【ステップ3】故障を防ぐための対策
原因 | 主な対策 |
---|---|
過負荷・短絡 | ① 発電機容量の適正化 ② ヒューズ・ブレーカーの定期点検 |
過熱 | ① 通風ダクト確保 ② 冷却ファン清掃&軸受グリスアップ(例:2 000 hごと) |
高調波 | ① ノイズフィルタ追加 ② 高耐久型AVR(デジタル制御・105 ℃コンデンサ)採用 ※現在の機種標準採用 |
雷サージ | ① SPD(避雷器)導入 ② 接地抵抗10Ω以下のアース施工 |
経年劣化 | ① 年次点検でコンデンサ容量測定(連続運転・40 ℃環境=5〜7 年/30 ℃以下=8〜10 年が目安) ② 不具合予兆時の早期交換 |
発電くんのワンポイント!
“220 kVAクラスを使うときは、余裕を持った負荷計算と高耐久型AVRの組み合わせが◎。
高容量でも電圧ドロップを最小限に抑えられるよ!”
よくある質問 (FAQ)
- Q1:AVRが故障した場合の応急処置は?
- 電源を停止し、予備AVRまたは予備発電機へ切替えて電力を確保。焦げ臭・煙があればケーブルまで点検してください。
- Q2:AVR交換の目安は?
- 周囲温度40 ℃環境で連続運転する場合、5〜7 年または3 000〜5 000 hが交換目安です。
まとめ
AVRは小さな部品ですが、発電機の安定運転を支えるキーコンポーネント。
故障原因を知り、適切な対策で現場の電圧トラブルを未然に防ぎましょう!
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現場のお困りごとはお気軽にご相談ください。