2025.05.20
教えて発電くん! ~低負荷運転で発電機が壊れる!? 実例で学ぶマフラー詰まりの恐怖~
最終更新日:2025.05.20
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教えて発電くん!
~低負荷運転で発電機が壊れる!? 実例で学ぶマフラー詰まりの恐怖~

【現場レポート】
今回ご紹介するのは、可搬型ディーゼル発電機の低負荷運転によって発生した実際の故障事例です。
長期レンタルされた125kVA発電機2台と100kVA発電機1台。使用状況を確認したところ、うち2台のエンジンが不調となっていました。
点検の結果、「マフラー詰まり(カーボン堆積)」が原因で排気系に強い逆圧がかかり、エンジン内部の複数部位に損傷が発生していたことが判明。
特に排気バルブの焼損・ピストンリング周辺へのカーボン付着・圧縮不良などが確認され、最終的にはオーバーホールが必要な状態となっていました。
2台の修理費用は、1台あたり100万円以上。負荷管理を誤ると高額な損失につながることが明らかになった事例です。
原因:低負荷運転が発電機に与える影響
ディーゼル発電機は一定以上の負荷(通常30%以上)で運転することで燃焼効率が高まり、スス(未燃焼炭素)の発生が抑えられます。極端な低負荷運転(アイドリング状態)が続くと、以下の悪循環が起こります。
- 燃焼温度低下 → 燃料が不完全燃焼
- 排気ガス中のスス増加
- ススがマフラー・EGR・ターボに堆積
- 排気詰まり → 逆圧増加 → エンジン損傷
発電くんのアドバイス!~低負荷を避けるためのポイント~
- ✅ 定期的に高負荷運転(ロードテスト)を行う
- ✅ 通常運転中も30%以上の負荷を維持する
- ✅ 長期稼働前に負荷シミュレーションを実施
- ✅ 低負荷が避けられない場合はダミーロードやバーナ運転を活用
発電機の負荷管理は、トラブル予防の第一歩!
「整備していたのに壊れた」という教訓からも、負荷管理の重要性が分かります。現在の運用を見直し、トラブルを未然に防ぎましょう。