発電機トラブル事例|テーマパークで発電機が起動しない原因は小動物!【教えて発電くん】
- 現場の「困った!」
- 教えて発電くん
- 知識
- 故障・修理

発電機トラブル事例|テーマパークで発電機が起動しない原因は小動物!【教えて発電くん】
エピソード:テーマパークからのSOS
ある晴れた日、緑豊かなテーマパークのご担当者様から突然のお電話がありました。
「レンタル中の25 kVA*1発電機(DCA-25LSKE)が全く電源が入らないんです!至急見に来ていただけますか?」
すぐに現場に駆けつけると、機械自体は比較的新しいモデル。まずは最も多い「バッテリー上がり」を疑い、12 V系バッテリーチェッカーで12.8 V → 良好判定。比重テストも健全でバッテリー異常なしと確認しました。
次に配線やヒューズ、メインスイッチを一つずつ点検。すると発電機内部に「ワラや枯葉」の塊が……。
原因:小動物による配線断線
よく見ると、小動物(おそらくネズミまたはリス)が巣を作り、エンジンコントロールユニット(ECU)へ向かう0.5 mm²制御線をかじって断線させていました!
自然豊かな現場ではこうした小動物による侵入が意外に多く、発電機内部は雨風がしのげて稼働後には30〜35 ℃程度になるため絶好の“すみか”になってしまいます。
現場での対応策
発電くん:「巣を撤去し、配線を正しく補修すれば復旧できます!」
- 断線部を耐熱熱収縮チューブ(UL 224相当)+熱収縮チューブ(2:1)で絶縁補修
- スタータソレノイド用2 sqケーブル・オイルセンサ線等を全数導通チェック
- 内部クリーニング後、ハーブ系小動物忌避剤を塗布し、防虫/防鼠メッシュ(10 mm角)を追加
補修完了後、セルモータ始動電流350 A → 正常範囲、無事に発電機が再稼働し、テーマパーク様の営業に支障は出ませんでした。
今回使用した部品・補修材・工具
- 補修用電線:0.5 mm²制御線、2 sqスタータ用ケーブル
- 耐熱熱収縮チューブ:UL 224相当(絶縁・補修用)
- 丸形端子:JIS C 2805適合
・ECU制御線用:R1.25‑3
・スタータ線用:R2‑3 または R2‑4 - ハーブ系小動物忌避剤:市販ペパーミント系スプレー等
- 防鼠・防虫メッシュ:10 mm角ステンレスワイヤーメッシュ
- バッテリーチェッカー:12 V用(または12 V/24 V兼用)
- 比重計:バッテリー液測定用
- 絶縁抵抗計(メガ):500 V DC型
- 導通試験器:ケーブル断線点検用
- ラジオペンチ/圧着工具/ワイヤーストリッパー:配線作業用
- プラスドライバー・ソケットレンチ:脱着作業用
- クリーナー/ウエス:内部清掃用
技術メモ:断線チェックの要点
- バッテリー良好判定値:12 V 系で 12.6 V 以上/ロードテスト電圧降下0.4〜1.0 V(発電機メーカー推奨値を優先)
- ECU制御線(0.5 mm²)とスタータ線(2 sq)は別系統測定で誤診防止
- 絶縁抵抗:一次側 0.1 MΩ 以上(電気設備技術基準省令 第58条)
- 補修端子:JIS C 2805適合
ECU制御線用 R1.25‑3、スタータ線用 R2‑3/R2‑4 を使用
*1 60 Hz運転時の定格出力は25 kVA、50 Hz運転時は20 kVAです。 ▲
法令・安全情報
- 作業前にエンジン停止&バッテリーマイナス端子除去(安衛則36条※)
- 毒劇物取締法対象外の忌避剤を使用し、SDSを現場掲示
- 発電機一次側の絶縁抵抗測定は500 V DCメガで実施
※安衛則36条は「特別教育を必要とする業務」を列挙した条文であり、バッテリー端子除 去そのものを直接規定するものではありませんが、感電防止の観点から当社では同条文に準じた安全手順を採用しています。
小動物トラブルを防ぐ予防策
- 週1回の内部点検でワラ・フンを早期発見
- 夜間稼働や長期設置では30日ごとに忌避スプレー再塗布
- リモート監視付レンタル機なら始動エラーコードを遠隔取得でき、訪問前診断が可能
まとめ
現場の「困った!」に即応するのが私たち発電機レンタルの使命です。
「まさか」のトラブルも、ぜひお気軽にご相談ください。
情報発信 発電機jp
▼便利なツールも活用しよう!
発電機.jp 編集部
【発電機.jpの強み】
発電機.jpは、発電機保有数2,800台以上・年間出荷実績10,000台以上・月間1,300台以上出荷(2024年実績)と、
全国トップクラスの実績で、すべての発電機は専門スタッフによるメンテナンス・点検整備済み。
イベント・建設現場・災害対応など多様な現場をしっかりサポートしています。
「どこでも・すぐに・安心を」お届けできる発電くんたちに、ぜひご相談ください!