建設現場で“溶接機”を使うなら何kVA必要?【教えて発電くん】

建設現場で“溶接機”を使うなら発電機は何kVA必要?【教えて発電くん】
こんにちは、発電くんです!
今回は、建設現場でよくある質問のひとつ、「溶接機を使うとき、発電機はどれくらいの容量(kVA)が必要なの?」という疑問に答えるよ!
溶接作業は瞬間的に大きな電力を必要とするから、適切な発電機容量を知らずに使うとブレーカーが落ちたり、溶接品質が低下したりするんだ。
今回は、選定の目安や注意点をわかりやすく解説するね!
📝現場レポート【実際の相談例】
最近、とある建設現場で「200Aインバータ溶接機を2台同時に使いたいが、20kVAの発電機1台で足りるか?」という相談がありました。
結果は…残念ながらNG。2台分+余裕係数を加味すると、25~30kVAクラスが必要なんです。
「発電くんの計算式で選んでよかった!」という声もいただきました。
🔧そもそも溶接機にはどんな種類があるの?
代表的な溶接機には次の2タイプがあるよ。
- 交流アーク溶接機(単相100V/200V)
- 直流インバータ溶接機(小型・軽量・高効率)
インバータ型は最近の主流だけど、最大電流が200A〜400Aと高く、消費電力も大きいのが特徴。
だから「定格出力」だけでなく「起動時のピーク電流」も考慮して、発電機を選定する必要があるよ。
インバータ溶接機は省エネでも「突入電流が大きい」のが落とし穴。必ず余裕を持った容量で!
🔢必要なkVAの目安は?
下記は、溶接機の電流と発電機の出力容量(kVA)のおおよその対応表だよ。
溶接機の定格電流(A) | 必要な発電機出力(kVA) | 備考 |
---|---|---|
150A | 約6〜8kVA | 小型現場向け |
200A | 約10〜13kVA | 軽作業用 |
300A | 約20〜30kVA | 本格工事・屋外溶接 |
400A | 40kVA以上 | 大型建設現場・橋梁工事など |
🔄複数台同時使用するときの計算は?
たとえば 200A のインバータ溶接機を2台 同時に使う場合、単純に kVA を “2倍” するだけでは不十分です。
起動タイミングがずれることもありますが、ピーク電流が重なる worst case を想定しておくと安全です。
溶接機 台数 |
1台あたり 定格電流 |
推奨計算式 | 必要発電機 出力(kVA) |
備考 |
---|---|---|---|---|
2台 | 200A | (10〜13kVA × 2) × 1.2 | 約25〜30kVA | 重畳係数1.2で余裕を見る |
3台 | 200A | (10〜13kVA × 3) × 1.1 | 約35〜45kVA | 同時起動をずらせば係数1.1でも可 |
2台 | 400A | (40kVA × 2) × 1.2 | 約95〜100kVA | 大容量は 並列運転も検討 |
ポイントは 「合計kVA × 余裕係数(1.1〜1.3)」 で計算すること。
さらに 発電機を2台並列(サイマル)運転すれば、現場スペースや搬入制限に合わせて容量を柔軟に確保できるよ!
- ピーク電流が完全に重ならない現場では係数を 1.1 程度に
- 同時起動を時間差で行う場合や 溶接+グラインダー など混載負荷も要計算
- 並列運転時は電圧位相合わせと分電に注意!
余裕係数は現場の運用状況によって調整しましょう。同時起動や混載負荷も忘れずにチェック!
⚠よくある失敗と注意点
- インバータ溶接機は省エネでも瞬時電流が大きいため、余裕を持ったkVAが必要!
- 起動電流が大きく一時的に出力が不足すると、アークが安定せず仕上がりが悪くなる!
- 長時間使用する場合は負荷率(使用率)にも注意。発電機を定格出力で使い続けると過熱や故障の原因に!
- 中型・大型の発電機は「ターボエンジン」タイプが主流ですが、急激なエンジン回転数のアップダウンを繰り返す使い方はNG。ターボにスス(カーボン)が溜まりやすく、黒煙が止まらなくなる等のトラブルを招くので注意しましょう。
現在の中型・大型発電機はターボエンジンが主流です。
急激な回転数のアップダウン(断続的な負荷変動)が多いと、ターボ部にカーボン(スス)が溜まりやすくなります。
長時間この状態が続くと、黒煙が止まらない、エンジン性能が低下するなどのトラブルの原因になります。
適度な高負荷運転(焼き切り運転)や、安定した負荷での運用も心がけましょう。
機器ごとに突入電流や推奨容量が異なることがあります。デンヨー・ヤンマー・いすゞ・ホンダ等の機種でご不明な点は、お気軽にご相談ください。
💡よくある質問(FAQ)
- Q: 三相溶接機の場合はどう計算するの?
A: 三相負荷の場合、kVA値の算出式や係数が異なるので要注意。現場の配線方式や同時使用機器によって計算方法が変わります。ご相談ください。 - Q: ケーブルが長い場合、何に注意?
A: ケーブルが長いと電圧降下が発生しやすくなります。余裕を持ったkVAの選定とケーブルサイズの適正化が重要です。 - Q: 溶接機以外の電動工具も同時に使う場合は?
A: 合計負荷電流に余裕を持たせて、ピーク時でも出力不足にならないよう、計算式に上乗せしておくと安心です。
📌発電くんからひとこと!
溶接機に必要なkVAは、「とりあえず大きければいい」わけじゃなくて、電流・機器仕様・同時使用機器・ケーブル長さなどを総合的に見て判断するのが大切なんだ。
不安があるときは、専門業者に相談してね!
うちの会社(発電機.jp)でも、溶接向けの発電機を多数レンタル・販売してるよ!
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