2025.06.18
教えて発くん!日産リーフで三相200Vエレベーターは動かせるの?〜EV非常用電源の現実・法規・リスク〜VOL2
最終更新日:2025.06.18
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教えて発電くん!
日産リーフで三相200Vエレベーターは動かせるの?
〜EV非常用電源の現実・法規・リスク〜VOL2

発電くんがわかりやすく教えるよ!
ユーザー:停電のとき、リーフとV2Hだけでマンションのエレベーターを動かせるの?
発電くん:いい質問だね!三相200Vの動力設備をEVで非常時運転できるか、
技術・法規・安全・コストも含めてしっかり解説するよ。
発電くん:いい質問だね!三相200Vの動力設備をEVで非常時運転できるか、
技術・法規・安全・コストも含めてしっかり解説するよ。
エレベーターを動かすために必要なもの
- 三相200V・大容量電源(始動突入電流・回生電力も要管理)
- 消防法・建築基準法など法規クリアが必須
- エレベーター連動用の専用制御盤・遮断器・安全装置
リーフ+V2H(家庭用)では動かせない理由
- 標準V2H(単相100/200V)は三相200Vに非対応
- 家庭用V2Hの最大出力(3〜6kVA)は、エレベーター始動の突入電流に対して不足
- エレベーター降下時の「回生電力」処理機能がない
回生電流(回生電力)の怖さとは?
要注意ポイント!
エレベーターが「降下」「減速」する時、モーターが発電機のように働き、大きな電力(回生電力・回生電流)が逆流します。
この回生電力が処理できないと
PCSやバッテリーが焼損・発火したり、システム全体が破壊されるリスクがあります。
必ずチョッパ抵抗器など「回生処理回路」が必要です。
仕組みを知らずに安易に繋げるのは絶対にNGです!
エレベーターが「降下」「減速」する時、モーターが発電機のように働き、大きな電力(回生電力・回生電流)が逆流します。
この回生電力が処理できないと
PCSやバッテリーが焼損・発火したり、システム全体が破壊されるリスクがあります。
必ずチョッパ抵抗器など「回生処理回路」が必要です。
仕組みを知らずに安易に繋げるのは絶対にNGです!
「三相PCS+EV」でエレベーターを動かす方法は?
発電くん:技術的には「三相PCS+EV+制御盤」を組めば、条件つきで可能だよ!
EVの直流(DC)電源を業務用三相PCS(インバータ)で三相200V交流に変換、
専用の制御盤やチョッパ抵抗器、安全装置を組み合わせれば非常時にエレベーターを動かした実例もあるんだ。
EVの直流(DC)電源を業務用三相PCS(インバータ)で三相200V交流に変換、
専用の制御盤やチョッパ抵抗器、安全装置を組み合わせれば非常時にエレベーターを動かした実例もあるんだ。
PCS(パワーコンディショナー/インバータ)とは?
PCSとは、Power Conditioning System(パワーコンディショナー)の略で、
「太陽光発電やEVバッテリーなどの直流(DC)電気を、家庭や工場で使える交流(AC)に変換するための大きな装置」です。
太陽光発電設備や大型バッテリーシステム、非常用電源など、幅広く使われています。
家庭用の小型タイプから、工場やマンション向けの三相200V対応の業務用PCSまでさまざまな種類があります。
ご注意:
三相PCS+EVによる非常用エレベーター運転は、現状では「緊急時・仮設対応」として活用されるケースが中心です。
恒久的な設備や公式販売用の“法規適合済みシステム”としては、
消防法・建築基準法等の認証・検査が必須となります。
現場の応急対応は専門業者・行政と相談の上、法令順守のもとでご判断ください。
三相PCS+EVによる非常用エレベーター運転は、現状では「緊急時・仮設対応」として活用されるケースが中心です。
恒久的な設備や公式販売用の“法規適合済みシステム”としては、
消防法・建築基準法等の認証・検査が必須となります。
現場の応急対応は専門業者・行政と相談の上、法令順守のもとでご判断ください。
方式別メリット・デメリット・コスト比較
方式 | 可否 | 主なポイント |
---|---|---|
逆Vトランス/ロータリーコンバータ | × | 動力・始動・法規クリア不可(疑似三相は非推奨) |
三相PCS+EV | ◎※ | 業務用PCS・専用盤設計で可。 緊急仮設向き・実績増加中 |
三相ディーゼル発電機 | ◎ | 従来方式。法規・耐突入・回生OK、補助金対象も多い |
- 三相PCS+EV非常用システム:
- PCS本体(10~30kVA級):250~500万円
- チョッパ抵抗器・V2X制御盤・遮断器:150~200万円
- 総額 400~700万円(設計・施工・認証込)
- メリット:静音、燃料不要、CO₂ゼロ、最新技術
- デメリット:初期コスト高、法令適合の難易度が高い、補助金は限定的
- ※恒久設備・売り込みには法規認証・行政協議が必須
- 三相ディーゼル発電機:
- 20~40kVA級:本体200~350万円+設置費用
- トータル 230~400万円前後(燃料・点検・騒音対応が必要)
- メリット:法規適合が容易、既存建物への導入実績多数、補助金あり
- デメリット:騒音・排気ガス・燃料備蓄
耐突入とは?(ワンポイント解説)
耐突入とは、エレベーターなどの動力設備を起動した瞬間に流れる非常に大きな電流(突入電流)に、発電機や電源システムが耐えられる能力のことです。これが不足すると、起動失敗や機器故障の原因になります。
仕組みを理解せずにつなげると危険!
絶対にNG!
専門知識や認証機器なしで、EVバッテリーを三相設備やエレベーターに直接接続すると、 バッテリー焼損・発火・重大故障や、車両保証喪失など深刻なリスクがあります。
必ず専門業者・認証済み機器を通じて、正しい手順で接続してください。
専門知識や認証機器なしで、EVバッテリーを三相設備やエレベーターに直接接続すると、 バッテリー焼損・発火・重大故障や、車両保証喪失など深刻なリスクがあります。
必ず専門業者・認証済み機器を通じて、正しい手順で接続してください。
消防・建築基準法のポイント
- 非常用電源は始動電流・回生処理・持続時間などの規定をクリアする必要あり
- 消防法・昇降機基準に基づく認証・設計証明が必要
- 「三相PCS+EV」は行政・認可機関への事前確認が必須
よくある質問(FAQ)
- Q. 本当にリーフでエレベーターは動かせるの?
- 「三相PCS+EV+制御盤」を適切に設計・設置すれば動かせる実例あり。ただし緊急時の仮設・応急対応向きで、恒久設備は認証が必要。
- Q. なぜ逆Vトランスやロータリーコンバータは使えない?
- 突入電流・相バランス・回生処理・法規要件がクリアできず、安全上も非推奨です。
- Q. 導入にはどこに相談すれば?
- 必ず発電機/PCS専門業者・認証機関にご相談ください。現場調査・要件整理から始めましょう。
発電機.jp もチェック!
発電くん:発電機・非常電源の選び方や最新事例は 発電機.jp にもいっぱい掲載していきますよ!
負荷計算や導入ノウハウも役立つからぜひ活用してね。
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