2025/08/22 改訂（工事計画届の基準整理／大防法の閾値分離／「3〜6カ月」運用目安に統一）

※本稿の法令・通達の確認時点：2025年8月22日（JST）

⚠️ 法令・通達は改正される場合があります。最新情報は必ず所轄官庁の公表資料をご確認ください。

可搬型発電機の法令手続きと必要資格

1. 可搬型発電機とは？

可搬型（移動式）発電機は恒久接続せず、現場へ一時的に搬入して使用する電源設備です。
主な利用例： 工事現場・イベント・仮設事務所・災害時の臨時電源 など

2. 法令適用 ５秒チェック

• 10 kW超 → 自家用：保安規程＋主任技術者
• 3〜6カ月（目安）→ 常設扱いの可能性（要相談）
• 工事計画届 → 受電1万V以上／発電所：内燃10MW・GT1MW・太陽2MW・風力/燃料電池0.5MW（着工30日前）
• 大防法 → 固定扱いなら届出（ディ/GT 50 L/h・ガス/ガソ 35 L/h）
• 危険物 → ガソリン40/200 L・軽油200/1000 L（届出/許可）
• 配線資格 → >600 V＝第1種 ／ ≤600 V＝第2種＋認定

3. 出力別 必要資格・手続き一覧 ※PF 0.8 例示

4. 必要資格ガイド（作業別）

5. 臨時自家用電気工作物（6カ月以内）の特例

使用期間が6カ月以内であっても、10 kW超なら自家用扱いで保安規程・主任技術者は必要です。
ただし、モデル（簡易）保安規程の活用や主任技術者の外部委託・兼任承認など、運用上の柔軟措置があります。
さらに保安規程に「移動区域」を記載しておけば、同一区域内での再設置時に工事計画・使用前自己確認の再提出が不要となる取扱いがあります。

6. 2023年3月20日通達のポイント

• 保安ネットによるオンライン届出が原則（紙提出も可）
• 移動区域を保安規程に記載 → 区域内再設置は工事計画・使用前自己確認の再提出不要
• 測定・点検記録の電子保存が正式容認
• 出力10 kW超の可搬型発電機を移動用電気工作物として明文化

7. 消防法の適用ポイント（燃料・配線で判定）

• ガソリン40 L超／軽油200 L超（指定数量1/5の目安） → 届出
• ガソリン200 L超／軽油1,000 L超（指定数量超） → 市町村長許可
• 消防設備連動 → 消防設備士 甲4（泡＝甲2、不活性ガス/ハロゲン化物/粉末＝甲3、消火器＝乙6）

出力には無関係です。燃料計画が決まり次第、消防署へ事前相談を。

8. 便利なツール

• 負荷計算ツール — 合計負荷から発電機容量を試算
• ケーブル選定ツール — ケーブルサイズ・電圧降下を簡易チェック

※本稿は2025年8月22日時点の公表資料を基に作成しています。設置前に所轄産業保安監督部・消防署へ最新要件をご確認ください。

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