2025.07.14

スコットトランス・逆Vトランス・専用単相トランスの違い&つなぎ方 【教えて発電くん!】

最終更新日:2025.10.27
  • 教えて発電くん
  • 知識
スコットトランス・逆Vトランス・専用単相トランスの違い&つなぎ方 【教えて発電くん!】

【教えて発電くん!】スコットトランス・逆Vトランス・専用単相トランスの違い&つなぎ方

~結線図いらず!どこに何をつなぐかだけを5分で解説~

発電くん

(最終更新:2025年10月27日/この記事の内容は同日時点の情報に基づきます)

「三相」と「単相」の機械、どうやってつなぐ?

発電くん:
現場では「三相(200 V)」しかないけど、単相の機械を動かしたいこと、またはその逆も多いよね。
そんな時に活躍するのが「トランス(変圧器)」!
この記事では、①スコットトランス(三相→単相2回路)②逆Vトランス(単相→擬似三相)③専用単相トランス(三相→単相1回路)の 3 種類を、 「どこに何をつなげばいいか」だけに絞って解説するよ。
難しい結線図は不要。つなぐ場所と注意点だけ押さえよう!
※現場によって「R/S/T」「U/V/W」など表記や色コードが異なります。必ず現場標準を確認!

★ 発電機だけでなく、トランスのレンタルも可能! 必要な容量・用途に応じてご提案できます。

 

スコットトランスの場合(例:三相 → 単相2回路)

ポイント:三相200 V から、バランスの良い単相200 V を 2 回路取り出したいときに使うトランスだよ。

入力側(三相200 V)
三相のR・S・T(赤・白・黒)または U・V・Wをトランスの「入力端子」に接続。
U=R、V=S、W=T が一般的ですが、メーカーによって色が逆転する場合があります。
★ スコットは内部で「2相+中点タップ」を使う少し特殊な結線です。
(例:R–T 間をメイン巻線、S 相はメイン巻線の 50% タップとティーザ巻線へ接続する方式など)
構造は少しむずかしいので、現場では必ず添付の結線図で端子番号を確認してください。

出力側(単相2回路)
「出力端子」からは互いに位相が ±90°ずれた単相200 V × 2 回路が得られます。
両回路に負荷を バランス良く振り分けると、三相側の電流バランスが整い、 発電機や受電設備にも優しい!

  • 例:工場の三相コンセント → スコットトランス → 「単相溶接機」と「海外製工作機械」を各回路に。
  • 端子板・ラベル位置は機種で異なるので現物で再確認

逆Vトランスの場合(例:単相 → 擬似三相)

ポイント:単相200 V しか無い現場で、三相モータなどを一時的に回したいときの“応急用”トランスだよ。

入力側(単相200 V)
単相200 V〈1 系統/R-S(または L1-L2)の 2 線〉をトランスの入力端子へ接続。

出力側(擬似三相200 V)
「三相出力端子」から擬似三相200 V(本物の三相に近いが、完全ではない三相)を取り出せます。

  • 出力容量は定格の約 57.7%(≈58%)が上限。 重負荷・長時間運転では容量計算に注意し、余裕を持たせて使うと安心です。
  • 線間電圧は ±10% 程度ばらつくため、インバータ機器・精密機器は不可
  • 例:単相しか無い仮設現場 → 逆Vトランス → 三相ポンプ

※逆Vトランスは「単相→擬似三相」用です。三相200 V から単相を取り出す用途には適しません。

専用単相トランスの場合(例:三相 → 単相1回路)

ポイント:三相200 V から、 コピー機・PC などの単相負荷を 1 回路だけ取り出したいときに使うトランスだよ。

入力側(三相200 V)
三相の2 線(例:R と S または U と V)を入力端子へ。
同じ 2 線を使い続けるとアンバランスが蓄積するため、
現場によっては定期的に使用線をローテーションすると主幹ブレーカが落ちにくくなります。

出力側(単相100 V/200 V)
単相出力は 1 回路のみ取り出せます。
※100 V が必要な場合は、二次側が100/200 V の単相3線式となるトランスを用い、 中性線 (N)を必ず配線してください。

  • 例:三相だけの工場 → 専用単相トランス → コピー機

容量計算例(前提:三相200 V・100 kVA の発電機が1台)

ここでは「三相200 V・100 kVA の発電機が1台ある」と仮定して、
各トランスを使ったときにどのくらいまで負荷(kVA)をつないでよいかの目安をまとめました。

トランス名/方法 使える単相・三相 kVA(理論上限) 計算式・ポイント
スコットトランス
入力:三相200 V
出力:単相200 V × 2回路
100 kVA
(50 kVA + 50 kVA)
三相100 kVAをそのまま単相2回路に振り分け可能。
片側50 kVA+もう片側50 kVA が目安。
2 回路が ±90°でバランスしているのがポイント。
逆Vトランス
入力:単相200 V
出力:擬似三相200 V
約 57.7 kVA 三相100 kVA発電機のうち、
2線を単相200 Vとして逆Vに入力したときの上限。
100 kVA × 0.577 ≒ 57.7 kVA(=100 kVA ÷ √3)
※擬似三相のため線間電圧バランスに注意。
三相200 V → 単相200 V負荷(2線使用)
例:三相のうち2線+専用単相トランスで200 V機器を使用
約 57.7 kVA 三相100 kVA発電機のうち、
2線だけを単相200 Vとして使った場合の理論上限。
100 kVA × 0.577 ≒ 57.7 kVA(=100 kVA ÷ √3)
専用単相トランス(100/200 V用)
入力:三相200 V(3線中 2線)+ N引き込み
出力:単相100/200 V(単相3線)
約 33 kVA(1相あたり) 三相100 kVA を 3相に均等に分けたときの、
100 V 回路 1相あたりの目安容量。
100 kVA ÷ 3 ≒ 33 kVA/相。
※3相ともバランスよく 100 V 負荷を振り分ければ、
合計ではおおむね 100 kVA まで使用可能。

※ 上表はあくまで理論値の目安です。連続運転や高温環境では、 定格の 80% 以下で運用すると安全です。

現場別!どれを使えばいい?

Q1: 精密機器を動かすなら?
発電くん:「スコットトランス or 専用単相トランス!」

Q2: 三相と単相が混在する現場?
発電くん:「スコットトランスで両方安定!」

Q3: 一時的に三相モータだけ回したい?
発電くん:「コスト重視なら逆Vトランス!(容量 58% 上限に注意)」

トランス単品レンタルも OK! 容量・台数・期間をご相談ください。

特徴&つなぎ方を比較!

種類 入力のつなぎ方 出力のつなぎ方 注意点・おすすめ用途
スコットトランス 三相200 V〈1 系統/R-S-T (U-V-W) 3 線〉 単相200 V〈2 系統/90°位相ずれ〉※2 三相+単相が混在する現場向け
負荷を 2 回路へ分散
逆Vトランス 単相200 V〈1 系統/R-S(L1-L2)2 線〉 擬似三相200 V〈1 系統/容量 57.7% 以内
(例:定格 1 MVA ⇒ 約 0.577 MVA)〉
モータ短時間運転・仮設向け
インバータ・精密機器は不可
専用単相トランス 三相200 V〈1 系統/3 線中 2 線を使用〉 単相200 V〈1 系統〉/100 V*1 家電・PC・コピー機など単相負荷用
*1 100 V は N 線(中性線)必須

*1 100 V を使用する場合は、二次側が 100/200 V の単相3線式となるトランスを用い、中性線 (N) を必ず配線してください。
※2 機種によっては出力電圧が 100/200 V 系(単相 100 V × 2)仕様の場合があります。

よくある質問コーナー(FAQ)

Q1. ケーブルは何を使えばいい?
容量に合ったケーブルを選んでね。ケーブル選定ツールが便利!
Q2. トランスの容量は?
使いたい機械の合計 kVA で選ぼう。負荷計算ツールでチェック!
Q3. 接続ミスすると?
機器が壊れたりブレーカが落ちるので、端子ラベルと色コードを必ず確認!
Q4. 「U/V/W」と「R/S/T」の違いは?
記号が違うだけで順番は同じ。ただし色コードは会社ごとに異なる場合あり(例:赤-白-黒/黒-白-赤/赤-青-黄)。 現場標準を必ず確認
Q5. 逆Vトランスでインバータは動く?
擬似三相は波形が不完全なのでインバータ・精密機器は不可です。
Q6. 逆Vトランスに三相200 Vを入れれば単相も取れますか?
いいえ、逆Vトランスは「単相200 V → 擬似三相200 V」専用です。
三相200 V から単相100 V/200 V を取りたい場合は、
「三相→単相用」の専用単相トランスを使用してください。
Q7. スコットトランスの容量バランスは?
単相 2 回路の合計がトランス定格以内なら OK。
片側に 80% など偏ると三相側電流がアンバランスになるため、 理想は左右 50% : 50%で振り分けてください。
Q8. トランスのレンタルは?
もちろん OK! 容量・期間・台数をお知らせください。

レンタル・購入どちらも~ トランスも発電機も「発電機.jp」へ!

⚠️ 法令・通達は改正される場合があります。最新情報は必ず所轄官庁の公表資料をご確認ください。

\ 発電機.jpからのおしらせ/
発電機レンタル・購入は 発電機.jp におまかせ!

国内トップクラス 2,800台超 の保有から、
現場にピッタリの機種をスピード手配します。

便利な無料ツールもご用意しています。お気軽にご利用ください!

📩 WEBからのご相談・お見積りはこちら

「どの発電機を選べばよいか分からない」「ケーブルも一緒に手配したい」など、専任スタッフが用途にあわせてご提案いたします。

※お急ぎの場合も、まずはフォームからご連絡ください。担当者より折り返しご案内いたします。