2025.07.14

スコットトランス・逆Vトランス・専用単相トランスの違い&つなぎ方 【教えて発電くん!】

最終更新日:2025.07.14
  • 教えて発電くん
  • 知識
スコットトランス・逆Vトランス・専用単相トランスの違い&つなぎ方 【教えて発電くん!】

【教えて発電くん!】スコットトランス・逆Vトランス・専用単相トランスの違い&つなぎ方

~結線図いらず!どこに何をつなぐかだけを5分で解説~

発電くん

「三相」と「単相」の機械、どうやってつなぐ?

発電くん:
現場では「三相(200 V)」しかないけど、単相の機械を動かしたいこと、またはその逆も多いよね。
そんな時に活躍するのが「トランス(変圧器)」!
でも難しい結線図は不要。どこに何をつなげばOKかだけ解説するよ!
※現場によって「R/S/T」「U/V/W」など表記や色コードが異なります。必ず現場標準を確認!

★ 発電機だけでなく、トランスのレンタルも可能! 必要な容量・用途に応じてご提案できます。

 

スコットトランスの場合(例:三相 → 単相2回路)

入力側(三相200 V)
三相のR・S・T(赤・白・黒)または U・V・Wをトランスの「入力端子」に接続。
U=R、V=S、W=T が一般的ですが、メーカーによって色が逆転する場合があります。
★ スコットは内部で2相+中点タップを使う特殊結線です (例:R–T 間をメイン巻線、S 相はメイン巻線の 50 % タップとティーザ巻線へ)。
必ず添付の結線図で端子番号を確認してください。

出力側(単相2回路)
「出力端子」からは位相が ±90°ずれた単相200 V ×2 回路が得られます。
両回路に負荷を バランス良く振り分けると、三相側の電流バランスが整い 発電機や受電設備にも優しい!

  • 例:工場の三相コンセント → スコットトランス → 「単相溶接機」と「海外製工作機械」を各回路に。
  • 端子板・ラベル位置は機種で異なるので現物で再確認

逆Vトランスの場合(例:単相 → 擬似三相)

入力側(単相200 V)
単相200 V〈1 系統/L-N(または R-S)の 2 線〉をトランスの入力端子へ接続。

出力側(擬似三相200 V)
「三相出力端子」から擬似三相200 Vが取り出せます。

  • 出力容量は定格の約 57.7 %(≈58 %)が上限。重負荷・長時間運転では容量計算に注意!
  • 線間電圧は ±10 % 程度ばらつくため、インバータ機器・精密機器は不可
  • 例:単相しか無い仮設現場 → 逆Vトランス → 三相ポンプ

専用単相トランスの場合(例:三相 → 単相1回路)

入力側(三相200 V)
三相の2 線(例:R と S または U と V)を入力端子へ。
同じ 2 線を使い続けるとアンバランスが蓄積するため、
現場によっては定期的に使用線をローテーションすると主幹ブレーカが落ちにくくなります。

出力側(単相100 V/200 V)
1 回路のみ取り出せます。
※100 V が必要な場合は中性線 (N)の引き込み、または降圧トランスが必須です。

  • 例:三相だけの工場 → 専用単相トランス → コピー機

/> 1回路のみ取り出せます。
※100 V が必要な場合は中性線(N)を引くか別途降圧トランスを使用。

  • 例:三相だけの工場 → 専用単相トランス → コピー機

 

容量計算例(定格 100 kVA の三相発電機)

トランス名/方法 使える単相 kVA(理論上限) 計算式・ポイント
スコットトランス
(単相 2 回路を 50:50)
100 kVA
(50 kVA + 50 kVA)
三相定格をそのまま活用
2 回路が ±90°で完全バランス
専用単相トランス
(200 V/三相 2 線直結)
約 57.7 kVA 100 kVA × 0.577
(=√3 ⁄ 3)
専用単相トランス
+ 中性線(N) 100 V
約 33 kVA 100 kVA × 1⁄3 ≒ 33 kVA
(各相 1/3 ずつ)

※ 上表は理論値。連続運転や高温環境では定格の 80 % 以下で運用すると安全です。

 

現場別!どれを使えばいい?

Q1: 精密機器を動かすなら?
発電くん:「スコットトランス or 専用単相トランス!」

Q2: 三相と単相が混在する現場?
発電くん:「スコットトランスで両方安定!」

Q3: 一時的に三相モータだけ回したい?
発電くん:「コスト重視なら逆Vトランス!(容量 58 % 上限に注意)」

トランス単品レンタルも OK! 容量・台数・期間をご相談ください。

特徴&つなぎ方を比較!

種類 入力のつなぎ方 出力のつなぎ方 注意点・おすすめ用途
スコットトランス 三相200 V〈1 系統/R-S-T (U-V-W) 3線〉 単相200 V〈2 系統/90°位相ずれ〉※2 混在現場・精密機器
負荷を 2 回路へ分散
逆Vトランス 単相200 V〈1 系統/L-N の 2 線〉 擬似三相200 V〈1 系統/容量 57.7 % 以内
(例:定格 1 MVA ⇒ 0.577 MVA)〉
モータ短時間・仮設向け
専用単相トランス 三相200 V〈1 系統/3 線中 2 線を使用〉 単相200 V〈1 系統〉/100 V*1 家電・PC 専用
*1 100 V は N 線必須

※2 機種によっては出力電圧が 100/200 V 系(単相 100 V ×2)仕様の場合があります。

よくある質問コーナー(FAQ)

Q1. ケーブルは何を使えばいい?
容量に合ったケーブルを選んでね。ケーブル選定ツールが便利!
Q2. トランスの容量は?
使いたい機械の合計 kVA で選ぼう。負荷計算ツールでチェック!
Q3. 接続ミスすると?
機器が壊れたりブレーカが落ちるので、端子ラベルと色コードを必ず確認!
Q4. 「U/V/W」と「R/S/T」の違いは?
記号が違うだけで順番は同じ。ただし色コードは会社ごとに異なる場合あり (例:赤-白-黒/黒-白-赤/赤-青-黄)。現場標準を必ず確認
Q5. 逆Vトランスでインバータは動く?
擬似三相は波形が不完全なのでインバータ・精密機器は不可です。
Q6. スコットトランスの容量バランスは?
単相 2 回路の合計がトランス定格以内なら OK。
片側に 80 % など偏ると三相側電流がアンバランスになるため、 理想は左右 50 % : 50 %で振り分けてください。
Q7. トランスのレンタルは?
もちろん OK! 容量・期間・台数をお知らせください。
新日本建販㈱  ☎ 0545-53-3100(全国対応) 担当:漆畑
✉ urushibata@njm.co.jp

レンタル・購入どちらも~トランスも発電機も「発電機.jp」へ!