外部タンク×発電機 配管ルールだけ 教えて発電くん!
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外部タンク×発電機の配管ルールだけ最短ガイド
――常時接続・短期仮設・給油作業を一枚で整理
(本記事は 2025年8月31日 時点の法令・通達・自治体運用をもとに作成)
✅ 常時接続=金属配管+金属可とう(長尺ホース代用は不可)
✅ 給油作業=導電性ホース+ボンディング(無人不可)
✅ 短期仮設でも連続供給なら常時接続扱い(所轄指導に従う)

このページは配管・接続だけにフォーカス。常時接続(連続供給)と給油作業(人が立ち会う一時接続)、短期仮設の違いを実務目線で整理します。
数量区分(</≧1,000L)や許可・届出の可否は別稿にゆずり、ここではどう配管し、何を付け、何がNGかを示します。
▷ 目次(タップで開閉)
配管の大原則(まずここだけ)
- 常時接続ラインは金属配管が原則。タンク直近・機側直近に金属可とう継手(曲がる金属管=フレキ/ベローズ)を入れて振動・地震・熱伸縮を吸収。
- ゴム/樹脂ホースの“長尺代用”は原則不可(常時接続ラインの代替にはしない)。
- 遮断・逆流/サイフォン対策・高液位/過注入対策:タンク直近に開閉弁、ラインに逆止弁(逆流ストッパー)(サイフォン=高低差で勝手に流れる現象を防止)、高液位警報・緊急遮断等の自動停止を併用。液面計(液面の目盛り窓)はボール入り自動遮断等で破損時に遮断。
- 静電気対策:配管・機器の接地/等電位、給油作業時はホース含め電気的連続(ボンディング=設備同士を電線でつないで静電気を逃す)を確保。
- 埋設するなら保護:二重配管やトラフ+漏えい検知等の保全構造を採用(所轄運用)。
👉 要点:常時接続は金属配管+金属可とうが原則。NG=ホース常設代用。
設計ルール(常時接続:連続供給ライン)
1) 配管材・接続部
- 金属配管(鋼管等)+金属可とう継手を基本にし、タンク結合部の直近に設置(機側直近にも可とうを推奨)。
- 可とうはフレキシブルメタルホースまたはベローズ形(ユニバーサル式等)を使用。
- 可とう継手は自重で垂れない支持・ねじれ防止・熱伸縮吸収を考慮(支持金物・スイベル配置など)。
- フレキ長さの目安(小口径の審査指針例):呼び25未満=300mm/25~49=500mm/50以上=700mm(地域運用で差あり)。
2) バルブ・保安機器
- タンク直近に開閉弁(容易に操作できる位置)。
- 逆止弁で逆流・サイフォン防止。過注入(オーバーフィル)対策は高液位警報・緊急遮断等を併用。
- 量表示は見やすい位置。液面計がガラス管の場合は金属保護・硬質ガラス・ボール入り自動遮断弁等で破損時に自動遮断。自動表示装置の採用を推奨。
3) 取り回し・保護
- 支持:適切な支持間隔でたわみ・応力集中を避け、機器ノズルに無理を掛けない。
- 配管経路:車両動線や人通りは防護(ガード・埋設・高所化)。外壁貫通部は不燃材で隙間充填。
- 腐食・防露:屋外は塗装/雨水・紫外線対策、地下は防食(必要に応じ電気防食)と電位測定端子。
4) 埋設・漏えい対策(必要に応じ)
- 二重配管+漏えい検知の指導例あり(埋設・油中ポンプ系)。
- トレンチ・スリーブ・保護管で機械的損傷を防止。
5) 試験・表示
- 据付後に耐圧・気密・漏えい試験を実施(方法・圧力は所轄指導に従う)。
- 可燃性蒸気混入のおそれがある場合、空気での加圧試験は行わない(水または不燃性ガスで実施)。
- 系統図・弁位置・緊急遮断手順・連絡先を現地掲示。
6) 供給・戻り・ベント
- 戻り油(リターン):発電機の戻り油は同一タンクまたは日タンク(中間の小型タンク)へ確実に還流。容量超過・泡立ち・温度上昇に注意し、オーバーフロー/撹拌を避ける配管(落差・戻り位置・拡散器等)とする。
- ベント(空気抜き):屋外は雨水浸入防止の折曲げ・防雨器具、周囲に火源がある場合は火炎捕捉器(フレームアレスター=炎の侵入を止めるフィルタ)を所轄指導に従い設置。吐出は開口部・火気設備から所要離隔と高さを確保した安全側に設け、滞留防止に留意(所轄指導)。
- ドレン:水分・沈殿物抜きの施錠付きドレン弁等の不正開放防止措置を講じ(所轄指導に従う)、受皿(トレイ)で回収する手順を掲示。
👉 要点:設計はタンク直近の遮断・逆流対策と表示/試験の徹底が肝。埋設は保護・検知までセット。
短期仮設の考え方(数週間~数か月の連続供給)
- 連続供給なら常時接続ライン扱い。金属配管+金属可とうを基本に構成し、長尺ホースの代用は原則不可。
- 発電機の移設が想定される場合でも、可とう継手+着脱用フランジ/ユニオン等で安全側に設計。
- 数量区分(</≧1,000L)に応じた手続・構造基準は別途遵守(届出/許可、堤容量 等)。
給油作業(人が立ち会う一時接続)
- 導電性の給油ホースを使用し、ノズル~ホース~設備が電気的連続(ボンディング=設備同士を電線でつないで静電気を逃す)になるように接地/ボンディング。
- こぼれ防止(受皿・ドリップレス継手)、安全継手(ブレークアウェイ)や転倒検知+自動遮断等の保安機構を併用(所轄指導に従う)。
- 無人運用は不可。見張り員を配置し、火気厳禁・エンジン停止・静電対策を徹底。
👉 要点:給油は導電性ホース+ボンディングで帯電火花を防止。無人は不可。
接続方式と要件(比較表)
場面 | 主な目的 | 接続方法 | 必須・推奨要件 | NG例 |
---|---|---|---|---|
常時接続(連続供給) | タンク→発電機の連続供給 | 金属配管+金属可とう | タンク直近開閉弁/逆止弁(逆流・サイフォン防止)/(所轄指導で)高液位警報・緊急遮断/(液面計はボール入り自動遮断)/支持・防護/耐圧・気密試験 | 長尺ゴムホースで代用/無支持で振動荷重をノズルに伝達 |
短期仮設(数週~数か月) | 工事・イベントの暫定連続供給 | 上記に同じ(簡易着脱を考慮) | 可とう継手で移動吸収/着脱フランジ化/掲示・緊急遮断手順 | 「仮設だから」とホース常設にする |
給油作業(一時接続) | 人が立ち会い補給 | 導電性ホース+接地/ボンディング | 受皿等のこぼれ防止/ブレークアウェイ(所轄指導)/転倒検知→自動遮断/見張り員 | 無人給油/接地不良/火気近接 |
※ 可とう継手の種類・長さ・支持方法は自治体の審査指針に従ってください(例:呼び25未満=300mm等の小口径運用)。
現場チェックリスト(貼って使える要点)
□ 可とうの有無(タンク直近/機側直近)と支持はOK?
□ タンク直近の開閉弁・逆止弁(逆流/サイフォン対策)・高液位警報/緊急遮断(液面計はボール入り自動遮断等)は動作確認済み?
□ 配管保護(車両衝突・外壁貫通・腐食・雨水)対策はOK?
□ 静電気対策(接地・等電位/給油時のボンディング)はOK?
□ 試験・表示(耐圧/気密・系統図・弁位置・緊急連絡先)は掲示済み?
□ 戻り・ベント・ドレン(戻り先/容量・ベント防雨/防炎・施錠ドレン+受皿〔所轄指導に従う〕)はOK?
参考リンク(自治体指針・通達の例)
- 少量危険物:配管直近の金属可とう継手の明記例(運用基準・基準書) … 大田市:少量危険物等運用基準(PDF) / 道南地域:運用基準(PDF) / 田辺市:解釈・運用(PDF)
- 可とう継手の技術指針(種類・構造の基本) … 徳島市:可撓管継手に関する技術上の指針(PDF)
- ベローズ/フレキの長さ目安(呼び径別の例) … 道南地域:運用基準(PDF)
- 支持・熱伸縮・支持架台等の注意 … 奈良市:屋外タンク貯蔵所の基準(PDF)
- 埋設・二重配管・漏えい検知の指導例 … 筑後地区消防本部:給油取扱所の基準(PDF)
- 給油作業の安全継手(ブレークアウェイ)等の要件例 … 川越地区消防:取扱所の基準(PDF)
⚠️ 法令・通達・審査指針は改正・更新されます。最新情報は必ず所轄消防の公表資料・指導に従ってください。
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