2025.09.04

外部タンク×発電機 配管ルールだけ 教えて発電くん!

最終更新日:2025.09.04
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外部タンク×発電機 配管ルールだけ 教えて発電くん!

 

外部タンク×発電機の配管ルールだけ最短ガイド
――常時接続・短期仮設・給油作業を一枚で整理

(本記事は 2025年8月31日 時点の法令・通達・自治体運用をもとに作成)

常時接続金属配管+金属可とう(長尺ホース代用は不可)

給油作業導電性ホース+ボンディング(無人不可)

短期仮設でも連続供給なら常時接続扱い(所轄指導に従う)

発電くん

このページは配管・接続だけにフォーカス。常時接続(連続供給)給油作業(人が立ち会う一時接続)短期仮設の違いを実務目線で整理します。

数量区分(</≧1,000L)や許可・届出の可否は別稿にゆずり、ここではどう配管し、何を付け、何がNGかを示します。

▷ 目次(タップで開閉)

配管の大原則(まずここだけ)

  1. 常時接続ラインは金属配管が原則。タンク直近・機側直近に金属可とう継手(曲がる金属管=フレキ/ベローズ)を入れて振動・地震・熱伸縮を吸収。
  2. ゴム/樹脂ホースの“長尺代用”は原則不可(常時接続ラインの代替にはしない)。
  3. 遮断・逆流/サイフォン対策・高液位/過注入対策:タンク直近に開閉弁、ラインに逆止弁(逆流ストッパー)サイフォン=高低差で勝手に流れる現象を防止)、高液位警報・緊急遮断等の自動停止を併用。液面計(液面の目盛り窓)ボール入り自動遮断等で破損時に遮断。
  4. 静電気対策:配管・機器の接地/等電位、給油作業時はホース含め電気的連続(ボンディング=設備同士を電線でつないで静電気を逃す)を確保。
  5. 埋設するなら保護:二重配管やトラフ+漏えい検知等の保全構造を採用(所轄運用)。

👉 要点:常時接続は金属配管+金属可とうが原則。NG=ホース常設代用

設計ルール(常時接続:連続供給ライン)

1) 配管材・接続部

  • 金属配管(鋼管等)+金属可とう継手を基本にし、タンク結合部の直近に設置(機側直近にも可とうを推奨)。
  • 可とうはフレキシブルメタルホースまたはベローズ形(ユニバーサル式等)を使用。
  • 可とう継手は自重で垂れない支持ねじれ防止熱伸縮吸収を考慮(支持金物・スイベル配置など)。
  • フレキ長さの目安小口径の審査指針例):呼び25未満=300mm25~49=500mm50以上=700mm(地域運用で差あり)。

2) バルブ・保安機器

  • タンク直近に開閉弁(容易に操作できる位置)。
  • 逆止弁逆流・サイフォン防止過注入(オーバーフィル)対策高液位警報・緊急遮断等を併用。
  • 量表示は見やすい位置。液面計がガラス管の場合は金属保護・硬質ガラス・ボール入り自動遮断弁等で破損時に自動遮断。自動表示装置の採用を推奨。

3) 取り回し・保護

  • 支持:適切な支持間隔でたわみ・応力集中を避け、機器ノズルに無理を掛けない。
  • 配管経路:車両動線や人通りは防護(ガード・埋設・高所化)。外壁貫通部は不燃材で隙間充填。
  • 腐食・防露:屋外は塗装/雨水・紫外線対策、地下は防食(必要に応じ電気防食)と電位測定端子。

4) 埋設・漏えい対策(必要に応じ)

  • 二重配管+漏えい検知の指導例あり(埋設・油中ポンプ系)。
  • トレンチ・スリーブ・保護管で機械的損傷を防止。

5) 試験・表示

  • 据付後に耐圧・気密・漏えい試験を実施(方法・圧力は所轄指導に従う)。
  • 可燃性蒸気混入のおそれがある場合、空気での加圧試験は行わないまたは不燃性ガスで実施)。
  • 系統図・弁位置・緊急遮断手順・連絡先を現地掲示

6) 供給・戻り・ベント

  • 戻り油(リターン):発電機の戻り油は同一タンクまたは日タンク(中間の小型タンク)へ確実に還流。容量超過・泡立ち・温度上昇に注意し、オーバーフロー/撹拌を避ける配管(落差・戻り位置・拡散器等)とする。
  • ベント(空気抜き):屋外は雨水浸入防止の折曲げ・防雨器具、周囲に火源がある場合は火炎捕捉器(フレームアレスター=炎の侵入を止めるフィルタ)を所轄指導に従い設置。吐出は開口部・火気設備から所要離隔と高さを確保した安全側に設け、滞留防止に留意(所轄指導)。
  • ドレン:水分・沈殿物抜きの施錠付きドレン弁等の不正開放防止措置を講じ(所轄指導に従う)受皿(トレイ)で回収する手順を掲示。

👉 要点:設計はタンク直近の遮断・逆流対策表示/試験の徹底が肝。埋設は保護・検知までセット。

短期仮設の考え方(数週間~数か月の連続供給)

  • 連続供給なら常時接続ライン扱い金属配管+金属可とうを基本に構成し、長尺ホースの代用は原則不可
  • 発電機の移設が想定される場合でも、可とう継手+着脱用フランジ/ユニオン等で安全側に設計
  • 数量区分(</≧1,000L)に応じた手続・構造基準は別途遵守(届出/許可、堤容量 等)。

給油作業(人が立ち会う一時接続)

  • 導電性の給油ホースを使用し、ノズル~ホース~設備が電気的連続(ボンディング=設備同士を電線でつないで静電気を逃す)になるように接地/ボンディング。
  • こぼれ防止(受皿・ドリップレス継手)、安全継手(ブレークアウェイ)や転倒検知+自動遮断等の保安機構を併用(所轄指導に従う)
  • 無人運用は不可。見張り員を配置し、火気厳禁・エンジン停止・静電対策を徹底。

👉 要点:給油は導電性ホース+ボンディングで帯電火花を防止。無人は不可

接続方式と要件(比較表)

※ 常時接続=金属配管+金属可とう。給油作業=導電性ホース+ボンディング。短期仮設でも連続供給は常時接続扱い(所轄指導)。
場面 主な目的 接続方法 必須・推奨要件 NG例
常時接続(連続供給) タンク→発電機の連続供給 金属配管+金属可とう タンク直近開閉弁/逆止弁(逆流・サイフォン防止)/(所轄指導で)高液位警報・緊急遮断/(液面計はボール入り自動遮断)/支持・防護/耐圧・気密試験 長尺ゴムホースで代用/無支持で振動荷重をノズルに伝達
短期仮設(数週~数か月) 工事・イベントの暫定連続供給 上記に同じ(簡易着脱を考慮) 可とう継手で移動吸収/着脱フランジ化/掲示・緊急遮断手順 「仮設だから」とホース常設にする
給油作業(一時接続) 人が立ち会い補給 導電性ホース+接地/ボンディング 受皿等のこぼれ防止/ブレークアウェイ(所轄指導)/転倒検知→自動遮断/見張り員 無人給油/接地不良/火気近接

※ 可とう継手の種類・長さ・支持方法は自治体の審査指針に従ってください(例:呼び25未満=300mm等の小口径運用)。

現場チェックリスト(貼って使える要点)

可とうの有無(タンク直近/機側直近)と支持はOK?

タンク直近の開閉弁逆止弁(逆流/サイフォン対策)・高液位警報/緊急遮断液面計はボール入り自動遮断等)は動作確認済み?

配管保護(車両衝突・外壁貫通・腐食・雨水)対策はOK?

静電気対策(接地・等電位/給油時のボンディング)はOK?

試験・表示(耐圧/気密・系統図・弁位置・緊急連絡先)は掲示済み?

戻り・ベント・ドレン(戻り先/容量・ベント防雨/防炎・施錠ドレン+受皿〔所轄指導に従う〕)はOK?

⚠️ 法令・通達・審査指針は改正・更新されます。最新情報は必ず所轄消防の公表資料・指導に従ってください。


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