2025.09.29

発電機の「外部タンク」と「貯蔵タンク」の違い+防油堤の要点 教えて発電くん!

最終更新日:2025.12.05
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発電機の「外部タンク」と「貯蔵タンク」の違い+防油堤の要点 教えて発電くん!

教えて発電くん!外部タンク vs 貯蔵タンク+防油堤の要点

※ 本コラムの法令参照時点:2025年9月29日

結論:
外部タンクは消費設備(一般取扱所の枠)として消防法の規制対象、貯蔵タンクは貯蔵所です。
屋外の貯蔵タンク(屋外タンク貯蔵所)には、防油堤が法令で必須(容量110%、堤高0.5m以上 等)です。
一方、外部タンクには「屋外タンク貯蔵所向けの一律防油堤基準」そのものは直接は適用されませんが、
漏えい防止・受け皿・簡易堰などの安全対策は、危険物施設として別途必ず求められます

① 外部タンクと貯蔵タンクの使い分け

  • 外部タンク(消費設備):発電機に直結して燃料を消費
    防油堤の全国一律基準(屋外タンク貯蔵所に定められている基準)は、「貯蔵所向け」の技術基準のため、外部タンクにはそのままの形では適用されません。
    ただし、これは「規制対象外」という意味ではなく、外部タンクも危険物施設として

    • 危険物の漏えい防止措置
    • 受け皿・簡易堰・室内の「せき」 等によるこぼれた油の受け止め
    • 配管・バルブからの滴下対策
    • 指定数量に応じた許可・少量危険物届出

    などの安全対策・手続きが消防法・条例・所轄消防の指導により必ず求められます
    屋内中継タンクについても、一般に室内の「せき」でタンク容量以上を受けられるようにする運用が多いです。
    参考: 消防庁資料札幌市いわき市

    ※外部タンクも消防法上の危険物施設として「規制対象」です。
    「屋外タンク貯蔵所用の防油堤一律基準がそのまま適用されないだけ」であり、
    漏えい防止・受け皿等の対策が不要になるわけではありません。

  • 貯蔵タンク(貯蔵所):燃料を備蓄。政省令・告示の技術基準に適合。
    屋外タンク貯蔵所として防油堤(容量110%、堤高0.5m以上 等)が法的に求められます
    参考: 施行令危規則告示(技術基準細目)

② 屋外タンク貯蔵所の防油堤:要点

※ ここから先は「屋外タンク貯蔵所(貯蔵タンク)」の防油堤の話です。外部タンクにそのまま当てはめないよう注意してください。
※ 記号の定義:H=タンクの高さ

  • 容量:単独=110%/複数=最大タンクの110%有効容量で確認:基礎・配管・他タンク堤高以下部分は控除)
  • 堤高0.5m以上(特例:20号防油堤0.15m可・要件あり)
  • 堤内面積80,000㎡以下堤内タンク数原則10基(条件で20基)
  • 離隔(タンク外板→堤内面):直径<15m=H/3、直径≥15m=H/2/高引火点(≥200℃)=max(H/5, 0.5m)
  • 構造:不浸透・外部流出防止・水抜口(外部操作弁)

自治体の図表整理: 大津市名古屋市川崎市富山市

③ 手続きの分岐(指定数量)

代表値:ガソリン200L/灯油・軽油1,000L/重油2,000L
同一敷地は合算(各量÷指定数量の合計が1以上→許可、1/5以上1未満→条例の少量危険物)。
参考: 消防法指定数量一覧(例)

④ 「幅」の決め方(比率ではなく要件の積み上げ)

防油堤の幅はタンク幅の比率では決まらず離隔C作業通路S堤の構造寸法で決まる。

※ここで説明している幅の考え方は、「屋外タンク貯蔵所用の防油堤」が対象です。
外部タンクはこの一律基準の適用外ですが、漏えい防止・受け皿・簡易堰・室内の「せき」等による油受けは別途必要であり、
実際の要求事項は所轄消防の指導に従ってください。

堤内“有効幅”の目安

堤内有効幅 ≧ タンク直径 D + 2 × { 離隔 C + 通路 S }

  • C:直径<15m=H/3、直径≥15m=H/2、高引火点=max(H/5, 0.5m)
  • S:点検・避難用に0.6〜1.0m目安(所轄指導に従う)

※堤の天端幅壁厚は全国一律値なし。盛土堤は天端≈1.0m運用例、RC堤は厚さ≈0.20m等の自治体細目例あり。

⑤ 超シンプル計算例(容量確認)

  • 10,000L×1基 → 必要堤容量=11,000L有効容量で確認)
  • 5,000L×2+3,000L×1 → 必要堤容量=最大5,000Lの110%=5,500L(同上)

⑥ 1200L・950L 外部タンクQ&A(要点)

  • 軽油1,200L:指定数量1,000L超→許可(一般取扱所)。
  • 合算原則:外部+内蔵・複数基は合算で
  • 軽油950L:指定数量未満だが1/5以上→少量危険物(条例届出・基準適合)。
  • ガソリン950L:指定数量200L超→許
  • 判定
  • 防油堤・受け皿等
    外部タンクは屋外タンク貯蔵所の一律防油堤基準(容量110%・堤高0.5m以上)の直接の適用対象ではありませんが、
    危険物施設として消防法・条例の規制を受け、受け皿・簡易堰・室内の「せき」などの漏えい対策は原則必要です(具体内容は所轄消防の指導による)。

発電くんのひとこと

発電くん 「まず外部タンク=消費設備/貯蔵タンク=貯蔵所の違いを押さえてから、
防油堤の要点指定数量と手続きを見ると整理しやすいよ。
外部タンクは“規制なし”じゃなくて、防油堤の一律基準がそのままじゃないだけ
実際の設置内容は、必ず所轄消防署と事前に相談してね!」

 

⚠️ 法令・通達は改正される場合があります。最新情報は必ず所轄官庁・所轄消防の公表資料をご確認ください。
また、実際の設置可否や求められる安全対策の内容は、必ず所轄消防署の個別指導に従ってください。

参考リンク(公式・公的資料)


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