教えて発電くん!なぜ日本は「50Hz/60Hz」があるの?〜発電史の珍事件〜
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教えて発電くん!なぜ日本は「50Hz/60Hz」があるの?〜発電史の珍事件〜

こんにちは、発電くんです!
現場でもよく聞かれる質問のひとつが「なんで日本って50Hzと60Hzがあるの?」。 実はこれ、世界的にも珍しい“電気の分岐点”なんです。
今回は、発電くんと一緒に「歴史 × 技術 × 現場知識」で楽しく解説していきます!⚡
第1章:はじまりは“輸入元の違い”だった!
明治時代、日本に初めて発電機が導入されたとき、東京と大阪が別ルートで海外から発電機を輸入したことがきっかけでした。
- 東京電灯(現在の東京電力の前身の一つ)→ 1895年にドイツ・AEG社製 50Hzを採用
- 大阪電灯(現在の関西電力の前身の一つ)→ 1896年にアメリカ・GE社製 60Hzを採用
参考:電源周波数(Wikipedia)/日本の電気事業(Wikipedia)

発電くんのひとこと: 「わずか1年の差で、別メーカーを選んじゃったのがすべての始まり! 当時はまだ地域ごとに電力が独立してたから、“まぁ東京はドイツ方式で、大阪はアメリカ方式でええやん”って感じで進んじゃったんだ。」
第2章:周波数の違いは“回転数の違い”
発電機の周波数(Hz)は、コイルの回転数と極数で決まります。式にするとこう👇
f(Hz)=(回転数 [rpm] × 極数)/120
- 2極機で3000rpm → 50Hz
- 2極機で3600rpm → 60Hz
- 4極機で1500rpm → 50Hz
- 4極機で1800rpm → 60Hz
参考:6極=1000/1200rpm、8極=750/900rpm(いずれも同期速度)。
※ エンジン直結の同期発電機は基本的にこの回転数に合わせます。インバータ発電機は内部で周波数を作り直すため、エンジン回転数と出力周波数は必ずしも一致しません。
つまり、同じ構造でも回転数が違えば周波数も変わるんです。 これが燃費・音・整備・互換性などに影響して、機器も「50Hz仕様」「60Hz仕様」と分かれるようになりました。
第3章:なぜ統一できなかったの?
戦後の復興期、「全国で統一しよう!」という議論もありました。 でも、現実的にはこんな理由で見送りに👇
- 全国の発電所・工場・家電の入れ替えコストが巨額
- 稼働中設備を止められない
- 周波数変換所(変換設備)で相互融通が可能になった
その結果、「統一せず変換所で橋渡し」という日本独自のスタイルが定着しました。 現在は静岡県富士川付近を境に、新信濃・南福光・東清水・佐久間などの変換所が東西をつないでいます。
参考(各設備の解説): 新信濃(飛騨信濃FC:東京電力PGリリース)/ 東清水(中部電力:プレスリリース)/ 佐久間(J-POWER:送変電事業紹介)/ 南福光(Power Academy現地レポート)
参考:中部電力パワーグリッド:地域と周波数/ シャープ:電源周波数の見分け方
第4章:現場の注意ポイント
- 可搬発電機には50Hz固定・60Hz固定・切替式がある
- 地域と異なるHz機を使うと機器が誤動作・故障することも
- インバータ発電機なら周波数を再生成できるので東西どちらでもOK
※ 機種によっては「50/60Hz設定」の切替が必要。取扱説明書の「出力周波数」欄を確認しましょう。

発電くんの現場アドバイス: 「現場に着いたらまず“ここ何Hz?”を確認! イベント・仮設電源・非常用運転では特に大事だよ!」
第5章:ざっくり整理表
地域 | 周波数 | 由来 | 主な電力会社 |
---|---|---|---|
東日本 | 50Hz | ドイツ AEG社(1895年) | 東京電力・東北電力・北海道電力 など |
西日本 | 60Hz | アメリカ GE社(1896年) | 関西電力・中国電力・四国電力・九州電力 など ※ 中部は主に60Hzだが、境界周辺に50Hzの供給地区がある(例:静岡県の一部 ほか)。中部電力ミライズ:電源周波数 |
💡まとめ: 日本の「50Hz/60Hz」文化は、発電機の輸入元の違いと、その後の設備コストが大きな要因。 世界でも珍しい“二つの電気文化”が今も共存しているんです!
最近のトピック(連系強化)
東清水・佐久間地点では、連系容量を増強する計画(自励式VSC装置の増設等)が進行中で、2027年度末の運用開始を目指しています(運用開始後は東京〜中部間のFC容量が210万kW → 300万kWへ)。
参考:電力広域的運営推進機関(OCCTO)資料/日立エナジー:東清水案件
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