2025.10.21

発電機のドループ制御とアイソクロナス制御の違い【やさしく図解・現場実態対応】教えて発電くん!

最終更新日:2025.10.21
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発電機のドループ制御とアイソクロナス制御の違い【やさしく図解・現場実態対応】教えて発電くん!

 

 

 

作成日:2025-10-21(Asia/Tokyo)/本記事は一般技術情報に基づく解説です。各機種の仕様・設定値はメーカーにより異なります。

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発電機のドループ制御とアイソクロナス制御の違い【やさしく図解・現場実態対応】

むずかしい言い方を一旦忘れてOK。
アイソクロナス=一定に保つドループ=少し下げて助け合う。まずはこのイメージだけ覚えてください。

30秒で要点:

  • アイソクロナス=「一定スピードをキープ」…単機・島運転のリーダー役
  • ドループ=「坂道で少しスピードが落ちるけど、他の発電機も少しずつ力を出して助け合う(=出力が増えるほど周波数をわずかに下げて分担を安定させる)」…複数台や商用連系の分担役
  • 現場ポイント: 多くの可搬型や現場用発電機%droopが固定で、ユーザーが調整できません。
    一方、大型機やデジタルガバナ搭載機では設定変更が可能です。
    並列時は同一型式・同一設定でそろえるのが安定です。

1) 車のたとえで一発理解

発電機の「回転数=周波数」は、車のスピードだと思ってください。

  • アイソクロナス:クルーズコントロール。坂道でも目標速度(50/60Hz)に戻すようにアクセルを自動調整します。
  • ドループ:坂道で少しスピードが落ちるけど、そのおかげで他の発電機も少しずつ力を出して助け合う(=出力が増えるほど周波数をわずかに下げて分担を安定させる)イメージ。無理せずバランスよく動く仕組みです。
アイソクロナスとドループの概念図(横軸:出力、縦軸:周波数。青=一定、黒=右下がり)
図1:アイソクロナス(周波数を一定に保つ)。ドループ(出力が増えるほど周波数がわずかに低下する“傾き”)。

2) 用語の意味(むずかしくない版)

アイソクロナス:負荷が増えてスピードが落ちても、すぐ目標周波数に戻す制御。1台で動かすときや、島で独立して動かすときの「周波数の親分」。

ドループ:負荷が増えると、周波数をほんの少しだけ下げて踏ん張る制御。複数台で動かすとき自動でうまく力を分け合う働きをします。

豆知識: 多くの可搬型・現場用発電機は、%droop特性が機械的にほぼ固定されていますが、電子ガバナ・デジタルガバナ機では設定変更が可能な場合もあります。現場では、並列運転時に同一型式・同一設定をそろえるのが安定の近道です。

3) どっちをいつ使う?(早見表)

迷ったらこれ!
シーン おすすめ 理由(ひとことでOK)
単機運転/島運転 アイソクロナス 周波数を一定に保ちやすく、機器が安定動作。
複数台の並列(独立系) ドループ同一型式・同一特性をそろえる 自然に定格比で分担してくれる。
商用(無限大母線)と連系 ドループ 周波数は商用側が決めるので、出力だけ合わせる。

4) まず何を気にすればいい?(現場チェックリスト)

  • ガバナ特性をそろえる:並列は同一メーカー・同一型式が基本。%droopは多くの機種で出荷時固定または限定的な調整範囲です。
  • 同期の三点合わせ:周波数・電圧・位相を合わせてから並列(同期器/PMS(Power Management System))。
  • アイソクロを複数台で:「負荷分担モジュール(LSM)」など専用機能が必須。ないとケンカします。
🔧 発電くんのミニTips: 負荷をドンと入れると周波数が一瞬フッと下がります。アイソクロなら数秒で戻る動き、ドループなら少し下がったまま踏ん張る動きが「正常」です。

5) よくある質問(初心者向け)

Q. %droopは小さいほどいい?
A. 小さいと周波数は下がりにくい傾向ですが、分担が不安定になり得ます。現場機では%droopを変更できない機種が多いため、機種選定(同一型式・同一特性)で整合させるのが現実的です。
Q. 全部アイソクロでも並列できる?
A. できますが、アイソクロ用の負荷分担機能(LSMやデジタルガバナ間の共有)が必須。ないと各機が周波数の主張をして不安定になります。

⚠️ 法令・通達は改正される場合があります。最新情報は必ず所轄官庁の公表資料をご確認ください。


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