2025.11.04

非常用発電機の設置・運用をゼロから理解する 教えて発電くん!

最終更新日:2025.11.04
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非常用発電機の設置・運用をゼロから理解する 教えて発電くん!

教えて発電くん! 災害時に役立つ発電機の設置・運用ガイド

こんにちは、発電くんです!今日は、災害時に備えて発電機をしっかり「設置・運用」するためのポイントを、防災担当者・自治体の皆さま向けに整理します。特に、法規制(建築基準法・消防法)との関係も絡めて解説しますので、ぜひご参考ください。

(本ページの法令・情報は2025年11月4日現在の内容をもとに作成しています)

⚠️ 法令・通達は改正される場合があります。最新情報は必ず所轄官庁の公表資料をご確認ください。

1. なぜ“非常用発電機”が災害時に重要か

大地震・台風・豪雨などで停電が発生すると、建物内の「非常用照明」「排煙設備」「エレベーター」「防災設備(スプリンクラー・屋内消火栓など)」が停止・機能低下し、人命・財産に直結するリスクが生じます。
そのため、建物内に「停電が起きても電源を確保できる発電機(=非常用発電機)」を設置・運用することが、防災・減災の観点から非常に重要です。

2. 対象となる建築物・施設と設置義務の概要

発電機を設置すべき建築物・施設、および法令上の義務の概略を整理します。

  • 消防法(施行令・施行規則・告示)
    ・延べ面積1,000㎡以上の「特定防火対象物」など、不特定多数の人が出入りする建物において、消防用設備等(消火・排煙・非常照明など)に対して非常電源の設置が求められます。
    ・非常電源の種類には、自家発電設備・蓄電池設備・燃料電池設備 等が含まれます。
    参考:消防庁「自家発電設備の設置基準(解説資料)」/告示条文:昭和48年消防庁告示第1号「自家発電設備の基準」
  • 建築基準法
    ・建築物の「建築設備」(排煙設備、非常用エレベーター、非常用照明 等)に対し、電源確保のための「予備電源」として自家発電設備(非常用発電機)等の設置が求められる場合があります。
    ・具体例として「高さ31m超」「不特定多数が出入りする特殊建築物」「延べ面積1,000㎡超」などが対象となることがあります。
    根拠例:建築基準法施行令(e-Gov)

3. 発電機の設置時に押さえるべき主要ポイント

3-1 設置位置・機器構造

  • 屋外のみが原則というわけではありません。専用の発電機室(不燃材料の壁・柱・床・天井、防火戸付き出入口、適切な換気・排気・防音、防振、点検用通路の確保 等)の要件を満たせば屋内設置も可です。
  • 振動・騒音対策、防振マットや遮音・隔壁、設置床の固定などは計画段階から検討しましょう。

3-2 容量・運転時間・起動性能

  • 条文で明記された代表例
    ・起動性能:停電等の信号を受けて40秒以内に電圧確立・投入(昭和48年消防庁告示第1号)。
    ・燃料:「定格負荷での連続運転可能時間」に必要な量以上を燃料容器に保有(同告示)。
  • 実務上の運用目安(自治体要領・実務解説で多い例)
    ・定格負荷で60分程度の連続運転を想定した負荷運転・点検。
    ・燃料は約2時間分を目安として備蓄。
    ※上記「60分」「2時間」は目安であり、建物の用途・設備構成・BCPによって適切量を設計・合意しておくことが重要です。
  • 設置対象の設備(スプリンクラー、排煙機、非常照明、非常用エレベーターなど)を正確に洗い出し、必要電力を把握したうえで発電機容量を選定しましょう。

3-3 維持管理・点検・試運転

  • 設置後も定期的な点検・試運転が必要です(例:月次・年次点検)。
  • 点検では「自動起動」「燃料タンク残量」「蓄電池」「ケーブル接続」「断路器」「警報・監視」などを確認します。
  • 法令違反や未点検により動作しなかった場合、建築基準法の是正命令・使用停止命令・罰則等のリスクがあります(例:国土交通省資料:罰則の概要)。

4. 災害時・停電時の運用と備え

  • 「非常電源起動マニュアル」「発電機切替手順」「燃料補給・備蓄管理」「発電機/負荷切替監視体制」を事前に整備。
  • 実際の停電時は以下の流れで運用します。
    常用電源喪失 → 発電機起動(自動または手動) → 負荷切替 → 稼働監視 → 燃料補給 → 常用電源回復後の切替・停止。
  • 長時間停電に備える場合は、燃料・オイル・メンテナンス体制・騒音・排気ガス・油処理・近隣対策も重要です。

5. チェックリスト:発電機設置・運用 READY

項目 確認内容 備考
対象建築物の義務該当確認 延べ面積/階数/用途 消防法・建築基準法対象か
設置位置・構造適合性 屋外or屋内、防火区画、換気 設置環境確認
発電機容量・起動性能 定格負荷/運転時間/起動40秒以内 負荷算定必要
燃料・備蓄 運転可能時間に見合う量/補給体制 燃料保管確認
維持管理・点検体制 点検周期/試運転/報告書 記録保管
運用マニュアル整備 停電手順/監視体制 訓練実施

6. まとめ

災害時の電源確保は、人命と地域の安全を守る要です。法令を遵守し、日常から点検と訓練を重ねて「いざ」という時に確実に動く体制を整えましょう。


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