災害時に発電機の申請は必要?「免除」って本当にあるの?【事後報告・10kW超の扱いまで完全ガイド】教えて発電くん!
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教えて発電くん!災害時に発電機の申請は必要?「免除」って本当にあるの?【事後報告・10kW超の扱いまで完全ガイド】
被災直後は「申請している余裕なんてない」──その通りです。 ただし “全面的な免除”ではなく、 災害時は 一部手続の「省略」や「仮手続(承認)」 が認められます。本稿では、いつ届出不要なのか/何は省略できないのか/10kW超の可搬機は?を、現場で迷わないようにステップで整理します。

まず結論(要点)
- 自社だけに短時間の応急運転(系統非連系・事故なし・燃料少量)は、その場の事前手続は不要(=申請省略で可)。ただし安全基準は厳守。 経済産業省(経産省)整理文書
- 他者(避難所・事業場など)へ非常時に給電する場合は、使用場所ごとの届出・申請を省略可。ただし平時に拠点で「保安規程の届出」や「主任技術者体制」を整えておくのが前提。 経産省:非常時移動用発電設備(FAQ)
- 燃料の危険物規制は省略できない(免除なし)。指定数量(ガソリン200L/軽油1000L)を超える運用は、最長10日の「仮貯蔵・仮取扱い」承認という別手続が必要。 東京消防庁:仮貯蔵・仮取扱いの手続
- 事故報告・労災報告は省略できない(免除なし)。電気事故は24時間以内速報+30日以内詳報、労災は遅滞なく(電子申請)。 関東東北産業保安監督部:電気事故の速報・詳報(24時間/30日)/厚生労働省:労働者死傷病報告(電子申請)
- 10kW超の可搬機でも、非常時の応急供給に限り上記の「省略」取扱いは同じ。ただし平時運用では保安体制(保安規程・主任技術者等)の整備が前提。 経産省整理文書
ステップで判断|被災時に本当に届出が要るか?
ステップ1:だれに給電する?
- 自社・自施設のみ(単独運転/系統非連系)… 応急(数時間〜1日)なら届出不要。ただし逆潮流防止(確実な切替)、接地、漏電保護は必須。 経産省整理文書
- 他者(避難所・事業場など)へ給電… 非常時は使用場所ごとの届出を省略可。ただし拠点での保安規程届出・主任技術者体制を平時に整備しておく。 経産省:非常時移動用発電設備(FAQ)
ステップ2:どれくらいの期間?
- 短時間の応急運転(自社向け・事故なし・燃料少量)… 社内記録を残せば一般に事後報告も“実務上不要”とされることが多い。ただし法定の事故・危険物手続は別途必要。
- 数日以上の継続/公共空間での運用/他者給電… 行政連携と安全確認のため、消防・自治体へ連絡(事後報告)を推奨。※法定の事故・危険物手続は別。 東京消防庁:仮貯蔵・仮取扱いの案内
ステップ3:燃料はどれだけ置く?
指定数量:ガソリン200L/軽油1000L。超える運用は承認制(仮貯蔵・仮取扱い/最長10日)。平時から消防と計画を協議すると承認が迅速に進みます。 東京消防庁:仮貯蔵・仮取扱いの手続
ステップ4:事故・労災は?
電気事故:速報を24時間以内、詳報を30日以内に産業保安監督部へ。
労災:死亡・休業4日以上は遅滞なく労基署へ(2025年1月1日から電子申請義務化)。 関東東北産業保安監督部:電気事故の速報・詳報(24時間/30日)/厚生労働省:労働者死傷病報告(電子申請)
ここは省略できない(要注意)
- 危険物(燃料)規制… 規制の免除はされません。指定数量超は省略不可で、消防署長の承認により最長10日の「仮貯蔵・仮取扱い」という別手続で対応。 東京消防庁:仮貯蔵・仮取扱いの手続
- 事故・労災報告… 免除されず、省略も不可。電気事故は24時間以内速報+30日以内詳報、労災は遅滞なく(電子申請)。 関東東北産業保安監督部:電気事故の速報・詳報(24時間/30日)/厚生労働省:労働者死傷病報告(電子申請)
- 技術基準の遵守… 免除されず、省略も不可。逆潮流防止の確実な切替、接地・漏電保護・CO対策は必須。 経産省整理文書
10kW超の可搬発電機は?
非常時に他者へ応急供給する場合は、出力の大小に関わらず「使用場所ごとの届出省略」等の整理は同じです(平時は保安体制の整備が前提)。
ただし、自社が管理する出力10kW以上の移動用発電設備を自社施設へ接続するケースは、本整理(他者供給の取扱い)の対象外で、自家用電気工作物としての手続・保安管理が必要です。 経産省:非常時移動用発電設備(FAQ)
発電くんの「接続・安全」チェックリスト
- 逆潮流を100%遮断:手動・自動いずれも主幹側に確実な切替器を設置(商用と物理的に同時接続しない)。 経産省整理文書
- 接地:発電機・分電盤の接地、漏電遮断器の確実動作を事前確認。 経産省整理文書
- CO対策:屋外・換気良好な場所。吸気/排気と可燃物の離隔を確保。
- 燃料:ガソリンは防爆対応缶で日陰保管。数量は指定数量の1/5未満を目安に小分け保管。超えそうなら消防へ相談。 東京消防庁:少量危険物の届出基準
- ケーブル容量:過電流・発熱に注意。迷ったらケーブル選定ツールで即チェック。
事後報告が“必要/推奨”となるケース
| 状況 | 事後報告の要否 | ポイント |
|---|---|---|
| 自社向け・短時間の応急運転(事故なし・燃料少量) | 一般実務上:不要とされることが多い | 現場記録(日時・出力・燃料量)は社内で必ず残す |
| 他者へ非常時に給電(避難所・他社事業場など) | 場所別の届出は省略可 | 拠点で保安規程・主任技術者体制を整備(平時)。安全上、自治体/消防への連絡を推奨。 経産省整理文書 |
| 燃料を大量に仮置き(指定数量の1/5超〜) | 承認・連絡が必要 | 最大10日の「仮貯蔵・仮取扱い」承認(電話→書面、平時の事前協議で迅速化)。 東京消防庁:仮貯蔵・仮取扱いの案内 |
| 電気事故・労災の発生 | 法的報告が必要 | 電気事故は24時間速報+30日詳報、労災は遅滞なく。 関東東北産業保安監督部:電気事故の速報・詳報(24時間/30日)/厚生労働省:労働者死傷病報告(電子申請) |
現場レポート|「体育館の避難所に電気を」
大雨被害で停電した地域。発電くんは10kW超の可搬機を持ち込み、学校体育館の非常用分電盤へ接続。
事前に配電盤の切替位置と漏電遮断器動作を確認し、逆潮流が起きない構成を現場で再チェック。照明と携帯充電を優先し、燃料は1/5未満に小分け保管。
運転後は自治体・消防へ連絡し、翌日以降の継続運用に向けて仮貯蔵の要否を相談──トラブルなく円滑に運用できました。
よくある誤解 Q&A
- Q. 災害時は何をしても法令は免除?
- A. いいえ。免除ではなく「省略」や「仮手続」です。燃料・事故報告・安全基準は省略できません(免除なし)。 東京消防庁:仮貯蔵・仮取扱いの案内
- Q. 10kW超は必ず報告が必要?
- A. 非常時の応急供給に限り、出力に関わらず「使用場所ごとの届出は省略可」です。ただし平時の保安体制は必要です。 経産省整理文書
- Q. 何から準備すればいい?
- A. 平時に保安規程届出・主任技術者体制、切替器の設計見直し、消防と仮貯蔵計画の事前協議を進めましょう。 経産省整理文書
便利ツール(無料)
法令根拠(主要ソース)
- 非常時の移動用発電設備による低圧事業場への電力供給(経産省整理文書/FAQ、2020年) 経産省:FAQページ
- 消防法の指定数量(ガソリン200L/軽油1000L)と解説、仮貯蔵・仮取扱いの承認(最長10日、東京消防庁) 東京消防庁:仮貯蔵・仮取扱いの手続
- 電気事故報告(速報24時間・詳報30日、産業保安監督部) 関東東北産業保安監督部:電気事故の速報・詳報(24時間/30日)
- 労働者死傷病報告(厚生労働省、休業4日以上等・電子申請の運用改正) 厚生労働省:労働者死傷病報告(電子申請)
※本稿は2025年10月28日(JST)時点の公表情報を基に作成。実務は所轄官庁の最新運用を優先してください。
⚠️ 法令・通達は改正される場合があります。最新情報は必ず所轄官庁の公表資料をご確認ください。
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