2025.11.26

【教えて発電くん!】アース棒の打ち込みと接地抵抗の考え方 ── 現場で迷わない“正しい接地”の基本

最終更新日:2026.02.06
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【教えて発電くん!】アース棒の打ち込みと接地抵抗の考え方 ── 現場で迷わない“正しい接地”の基本

【教えて発電くん!現場レポート】アース棒の打ち込みと接地抵抗の考え方
── 現場で迷わない“正しい接地”の基本

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※本記事は、前回コラム 「発電機のアース端子が2つあるのはなぜ?【ボディーアースと漏電アース】」 の続きとしてお読みいただくと分かりやすい内容になっています。

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緊急時は手配が集中し、発電機だけでなくケーブル/分電/燃料まで含めた準備が遅れがちです。
平時に必要容量・設置条件・稼働時間(燃料運用)を整理して、復旧を早める体制を一緒に作ります。

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前回のコラムでは、発電機のアース端子が2つある理由として、「ボディーアース」と「漏電アース」の役割や違いについて解説しました。
今回はその続きとして、実際の現場でよく質問をいただく「アース棒はどれくらい打てばいいのか」「接地抵抗はどの基準で判断すべきか」というポイントを、発電くんが分かりやすく整理してお伝えします。

▶ 発電機コラム一覧(発電くんシリーズもこちら): https://hatsudenki.jp/column/

 

発電機を仮設現場やイベントなどで使用する際、アースの取り方次第で安全性やトラブル発生のしやすさが大きく変わります。
この記事では、実際の現場で起きたトラブル事例も交えながら、アース棒の打ち込みの深さ・本数・間隔と、接地抵抗値の考え方を実務目線で解説していきます。


🔌 1. アース棒の役割とは?

アース棒(接地極)は、漏電時の電流を大地へ逃がして人命を守るための重要な設備です。
可搬型発電機を負荷へ直接供給する仮設用途では、発電機側で適切な接地(D種相当など)を確保するのが基本になります。
ただし、建物設備へ接続する運用(切替盤・分電盤接続等)の場合は接地方式や系統条件が絡むため、必ず有資格者・管理者の設計/指示に従ってください。

アース棒は主に以下の目的で使われます:

  • ① 保護接地(漏電アース):漏電時の電流を確実に大地へ流す。
  • ② 機体接地(ボディーアース):発電機の筐体の電位上昇を防ぐ。

📏 2. アース棒はどれくらい打ち込む?

一般的には、1.5m以上の鋼棒(接地極)を全長打ち込みが推奨されることが多いです。
ただし実際には、可搬型発電機に付属するアース棒は短尺(例:50cm前後)のケースも多く、土壌条件によっては十分に抵抗値が下がらない点に注意が必要です。

■ なぜ付属アース棒は短いことが多いの?
・可搬型発電機の持ち運び性を重視した簡易タイプ
・収納スペースの制限から短尺になっている場合がある
・「最低限の接地」を目的とした簡易仕様
※ただし接地抵抗の低減性能は限定的で、土壌条件によっては十分に抵抗値が下がらない点に注意が必要です。

■ 現場で安全に使うための推奨方法

  • 接地抵抗が高い場合は1.5m級のアース棒を追加する
  • 短尺アース棒を複数本並列接続して抵抗値を下げる
  • 湿った地面・柔らかい地面を選んで打ち込む(必要に応じて散水)

■ アース棒同士の「推奨間隔」

複数本のアース棒を並列で打ち込む場合、アース棒の長さと同程度の間隔を空けることが望ましいとされています。

【推奨間隔(目安)】
・1.5mアース棒 → 1.5m以上離す
・0.5mアース棒 → 0.5〜1m離す
※近すぎると互いの接地効果が重なり、抵抗値が十分に下がらなくなります。

固い地盤で十分に打ち込めない場合は、本数を増やす(並列接地)ことで全体の接地抵抗を下げることができます。


📉 3. 接地抵抗の基準値は?(2025年11月20日改正情報に基づく)

接地抵抗は 電気設備の技術基準(電気設備に関する技術基準を定める省令) および、電気設備の技術基準の解釈 に基づきます。
本コラムの法令・基準等に関する記載は、「電気設備の技術基準の解釈(令和7年11月20日改正)」等の公表資料をもとにしています。

⚠️ 法令・通達は改正される場合があります。最新情報は必ず所轄官庁の公表資料をご確認ください。

■ 接地種別ごとの基準値(概要)

接地種別 接地抵抗の目安(原則)
A種接地 10Ω以下
B種接地 150/Ig[Ω]以下(遮断条件により区分あり)
※Ig:一線地絡電流[A]
C種接地 10Ω以下(条件により500Ω以下の特例)
D種接地 100Ω以下(条件により500Ω以下の特例)
  • B種は遮断条件等により300/Ig600/Ig等の区分があります。実務設計では原文の条文・解説を確認してください。
  • C種・D種の500Ω特例は、低圧電路で地絡時に0.5秒以内に自動遮断できる装置がある場合など、条件付きで適用されます。

■ 参考(公表資料):

なお、可搬型発電機で照明や電動工具を使用するケースでは、D種接地(100Ω以下)が基本となることが多いです。
法令上は、条件を満たせば500Ω以下が認められる場合もありますが、安全マージンを考えると「できるだけ100Ω以下」を目標にする運用が一般的です。


🧪 4. 接地抵抗の測定方法

発電機で使用する場合、簡易型の接地抵抗計(アナログ表示タイプなど)が一般的です。
補助棒の距離・接続方法は、使用する測定器の取扱説明書の指定に従ってください(例:5〜10mなど)。

■ 測定の流れ

  1. アース棒にリード線を接続
  2. 補助棒を指定距離に設置
  3. 接地抵抗計で測定
  4. 目標値(D種:100Ω以下)まで抵抗が低いか確認

※照明・工具を使う一般的な発電機利用では、D種接地の基準である「100Ω以下」を実務上の目安としつつ、可能な限り低く抑えることが望ましいです。


🚧 5. 現場レポート|接地抵抗が高すぎた結果…?

【状況】
土壌が乾燥しており、アース棒1本では接地抵抗180Ωのまま。
その状態で電動工具や照明を使用したところ、わずかな漏れ電流やノイズの影響で、漏電遮断器がたびたびトリップする状況になっていました。

【発電くんのアドバイス】

  • アース棒を2本以上、別々の位置に打ち込み、接地線でまとめて発電機のアース端子につなぐ(並列接地)
  • 湿った地面を選ぶ/必要に応じて散水して抵抗値を低減

結果、追加したアース棒と散水により接地抵抗が180Ω → 60Ωまで低減し、その後は漏電遮断器の不要なトリップも収まり、安定稼働が得られました。

現場では「複数本のアース棒による並列接地」が特に有効です。


💡 まとめ|アース棒と接地抵抗のポイント

  • アース棒は1.5m以上をできる限り深く打ち込む(打ち込み困難なら並列本数で補う)
  • 複数本のアース棒を使う場合は、棒の長さと同程度の間隔を空けて並列接地する
  • 接地抵抗はD種で100Ω以下が基本的な目安(条件により500Ω以下の特例あり)
  • 接地抵抗が高いと、漏電時に十分な電流が流れず漏電遮断器が期待どおりに動作しないおそれがある
  • 発電機は仮設利用が多く、土壌条件で抵抗値が変動するため、現場ごとに測定し、必要に応じて本数・打ち込み深さ・散水で調整する

▶ 発電機コラム一覧(関連テーマをまとめて読む): https://hatsudenki.jp/column/


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