2025.11.26

【教えて発電くん!】アース棒の打ち込みと接地抵抗の考え方 ── 現場で迷わない“正しい接地”の基本

最終更新日:2025.11.27
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【教えて発電くん!】アース棒の打ち込みと接地抵抗の考え方 ── 現場で迷わない“正しい接地”の基本

【教えて発電くん!現場レポート】アース棒の打ち込みと接地抵抗の考え方
── 現場で迷わない“正しい接地”の基本

教えて発電くん イラスト

※本記事は、前回コラム 「発電機のアース端子が2つあるのはなぜ?【ボディーアースと漏電アース】」 の続きとしてお読みいただくと分かりやすい内容になっています。

前回のコラムでは、発電機のアース端子が2つある理由として、「ボディーアース」と「漏電アース」の役割や違いについて解説しました。
今回はその続きとして、実際の現場でよく質問をいただく「アース棒はどれくらい打てばいいのか」「接地抵抗はどの基準で判断すべきか」というポイントを、発電くんが分かりやすく整理してお伝えします。

 

発電機を仮設現場やイベントなどで使用する際、アースの取り方次第で安全性やトラブル発生のしやすさが大きく変わります。
この記事では、実際の現場で起きたトラブル事例も交えながら、アース棒の打ち込みの深さ・本数・間隔と、接地抵抗値の考え方を実務目線で解説していきます。


🔌 1. アース棒の役割とは?

アース棒(接地極)は、漏電時の電流を大地へ逃がして人命を守るための重要な設備です。
特に発電機は「単独電源」であるため、建物の接地とは別に独立した接地が求められます。

アース棒は以下の2つの目的で使われます:

  • ① 保護接地(漏電アース):漏電時の電流を確実に大地へ流す。
  • ② 機体接地(ボディーアース):発電機の筐体の電位上昇を防ぐ。

📏 2. アース棒はどれくらい打ち込む?

一般的には、1.5m以上の鋼棒(接地極)を全長打ち込みが推奨されています。 ただし実際には、発電機に純正で付属しているアース棒は約50cmの短いタイプであることがほとんどです。

■ なぜ純正アース棒は50cmなの?
・可搬型発電機の持ち運び性を重視した簡易タイプ
・収納スペースの制限から短尺になっている
・「最低限の接地」を目的とした簡易仕様
※ただし接地抵抗の低減性能は限定的で、土壌条件によっては十分に抵抗値が下がらない点に注意が必要です。

■ 現場で安全に使うための推奨方法

  • 接地抵抗が高い場合は1.5m級のアース棒を追加する
  • 50cmアース棒を複数本並列接続して抵抗値を下げる
  • 湿った地面・柔らかい地面を選んで打ち込む

■ アース棒同士の「推奨間隔」

複数本のアース棒を並列で打ち込む場合、アース棒の長さと同程度の間隔を空けることが望ましいとされています。

【推奨間隔(目安)】
・1.5mアース棒 → 1.5m以上離す
・0.5mアース棒 → 0.5〜1m離す
※近すぎると互いの接地効果が重なり、抵抗値が十分に下がらなくなります。

固い地盤で50cmしか入らない場合は、本数を増やすことで全体の接地抵抗を下げることができます。


📉 3. 接地抵抗の基準値は?(2025年11月時点の法令基準)

接地抵抗は 電気設備の技術基準(電気設備に関する技術基準を定める省令) および、電気設備の技術基準の解釈(令和6年10月22日改正) に基づきます。
本コラムの法令・基準等に関する記載は、2025年11月時点の情報をもとにしています。

⚠️ 法令・通達は改正される場合があります。最新情報は必ず所轄官庁の公表資料をご確認ください。

■ 接地種別ごとの基準値(概要)

接地種別 主な用途・位置付け 接地抵抗の目安(原則) 備考・特例
A種接地 ・高圧以上の機器などの非充電部の接地
・高圧受電設備の金属外箱など
10Ω以下 高圧設備まわりの保護接地として用いられる。
B種接地 ・変圧器の中性点など、電路の充電部に施す系統接地
・一線地絡時の低圧側電位上昇を抑える目的
150/Ig[Ω]以下
※Ig:一線地絡電流[A]
設備構成や遮断条件により、詳しい取り扱いが異なるため、
実務設計では原文(技術基準の解釈・内線規程)を要確認。
C種接地 ・300Vを超える低圧機器の外箱などの接地
・漏電時に外箱が高電位にならないようにする保護接地
10Ω以下 低圧電路で、地絡時に0.5秒以内に自動遮断する装置がある場合、
条件付きで500Ω以下まで認められる特例あり。
D種接地 ・300V以下の低圧機器の外箱などの接地
・可搬型発電機で使う工具・照明などが該当することが多い
100Ω以下 C種と同様、0.5秒以内に自動遮断する装置がある場合、
条件付きで500Ω以下まで認められる特例あり。

■ 参考公表資料:

なお、可搬型発電機で照明や電動工具を使用するケースでは、D種接地(100Ω以下)が基本となります。
法令上は、条件を満たせば500Ω以下が認められる場合もありますが、安全マージンを考えると「できるだけ100Ω以下」を目標にすることをおすすめします。


🧪 4. 接地抵抗の測定方法

発電機で使用する場合、簡易型の接地抵抗計(アナログ表示タイプなど)が一般的です。

■ 測定の流れ

  1. アース棒にリード線を接続
  2. 補助棒を所定距離に設置(5〜10m)
  3. 接地抵抗計で測定
  4. 目標値(D種:100Ω以下)まで抵抗が低いか確認

※照明・工具を使う一般的な発電機利用では、D種接地の基準である「100Ω以下」を実務上の目安としつつ、可能な限り低く抑えることが望ましいです。


🚧 5. 現場レポート|接地抵抗が高すぎた結果…?

【状況】
土壌が乾燥しており、アース棒1本では接地抵抗180Ωのまま。 その状態で電動工具や照明を使用したところ、わずかな漏れ電流やノイズの影響で、漏電遮断器がたびたびトリップする状況になっていました。

【発電くんのアドバイス】

  • アース棒を2本以上、別々の位置に打ち込み、接地線でまとめて発電機のアース端子につなぐ(並列接地)
  • 湿った地面を選ぶ/散水して抵抗値を低減

結果、追加したアース棒と散水により接地抵抗が180Ω → 60Ωまで低減し、その後は漏電遮断器の不要なトリップも収まり、安定稼働が得られました。

現場では「複数本のアース棒による並列接地」が特に有効です。


💡 まとめ|アース棒と接地抵抗のポイント

  • アース棒は1.5m以上をできる限り深く打ち込む
  • 複数本のアース棒を使う場合は、棒の長さと同程度の間隔を空けて並列接地する
  • 接地抵抗はD種で100Ω以下が基本的な目安(条件により500Ω以下の特例あり)
  • 接地抵抗が高いと、漏電時に十分な電流が流れず漏電ブレーカーが正常に動作しないおそれがある
  • 発電機は単独電源のため確実な接地が必須。現場ごとに土壌条件を確認し、必要に応じて本数・打ち込み深さ・散水などで調整する

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