発電機につなぐケーブルの色「赤・白・黒」と端子「U・V・W」の見方を解説!【教えて発電くん!】
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【教えて発電くん!】発電機につなぐケーブルの色「赤・白・黒」と端子「U・V・W」の見方を解説!
現場で主流の「赤・白・黒」と発電機側の「U・V・W」を正しく理解しよう(2025年版)

このコラムのポイント(2025年11月時点)
- 現場でよく使われているのは、三相200V用の旧色「赤・白・黒+緑」のケーブル
- 発電機側の出力端子表示は「U・V・W」が一般的
- 日本の現場では、端子やケーブルを左から「赤・白・黒」にそろえると誤接続を減らしやすい
- ただし色だけで判断せず、端子記号(U・V・W/L1・L2・L3)を基準に接続する
- 三相回路では必ず相順チェッカーで正相・逆相を確認する
多くの現場で発電機を安全に使うためには、「ケーブルの色(相色)」と「発電機側の端子記号」を正しく理解しておくことが欠かせません。
とはいえ、実際の現場では
- ケーブル → 赤・白・黒(旧色)
- 発電機端子 → U・V・W
- 図面 → L1・L2・L3 や R・S・T
のように表記がバラバラで、初めて触る方にはとても分かりづらいのが実情です。
このコラムでは、「赤白黒」「U・V・W」といった現場優先の実務目線で、発電機とケーブルのつなぎ方の考え方を、できるだけシンプルに解説します。
⚠️ 法令・通達は改正される場合があります。最新情報は必ず所轄官庁や電力会社の標準仕様書、公表資料をご確認ください。
ステップ1:まずは「赤・白・黒+緑」で何を表しているかを押さえる
2025年現在、日本で購入できる多くのキャブタイヤケーブル(2PNCT・VCT・VCTFなど)は、依然として旧色(赤・白・黒+緑)が主流です。
■ 三相200V(赤・白・黒+緑)の一般的な意味
| 役割 | 現場で主流の旧色 | ポイント |
|---|---|---|
| R相(L1) | 赤 | 三相の1本目。モーターの回転方向に影響。 |
| S相(L2) | 白 | 三相の2本目。 |
| T相(L3) | 黒 | 三相の3本目。 |
| 接地(アース) | 緑(または 緑/黄) | 感電防止に必須。 |
■ 単相100V/200V(黒・白・緑)の一般的な意味
| 役割 | 旧色 | ポイント |
|---|---|---|
| 非接地側(L) | 黒(または 赤) | 電圧がかかる側。 |
| 接地側(N) | 白 | 中性線。 |
| 接地(アース) | 緑(または 緑/黄) | 安全上重要。 |
旧色は法令上「即禁止」という扱いではないため、国内流通しているケーブルの大部分を旧色が占めているのが現状です。
ただし、実際の色の指定は、電力会社や官庁仕様・設計仕様書で個別に定められている場合があります。必ず図面・仕様書もあわせて確認しましょう。
ステップ2:発電機側は「U・V・W」が多い!まずは記号を読み替える
発電機の出力端子をよく見ると、ほとんどの機種で「U・V・W」と表示されています。
一方、分電盤や図面、負荷機器のラベルなどでは、次のような表記が混在しています。
■ 三相端子の表記パターン一覧
| 用途 | よくある表記 | 対応関係(一般的) |
|---|---|---|
| 発電機端子 | U・V・W | U ≒ L1 ≒ R / V ≒ L2 ≒ S / W ≒ L3 ≒ T |
| 分電盤・図面 | L1・L2・L3 / R・S・T | 設計者やメーカーごとに表記が異なる |
| ケーブル(旧色) | 赤・白・黒 | 赤=L1、白=L2、黒=L3 に割り当てるのが一般的 |
| 接地端子 | E・⏚マーク | 緑または緑/黄を接続 |
重要なポイント:
「U=赤」「V=白」「W=黒」と色で決めつけるのではなく、
まずはU=L1=R という“役割”で考え、そこに赤を割り当てるイメージで接続します。
つまり、色 → 記号 に合わせるのではなく、記号 → 色を割り当てるのが正しい考え方です。
ステップ3:三相200Vでは「相順」が最重要(モーターの逆回転防止)
三相回路では、3本の電線をつなぐ順番(相順)が逆になると、
- モーターが逆回転する
- 設備に悪影響やトラブルが出る可能性がある
といった問題が起こります。
「色が合っているように見えるから大丈夫」では絶対にNGです。
■ 相順確認の基本手順
- 発電機側:U → V → W を L1 → L2 → L3 とみなす
- ケーブル側:一般的には
赤=L1、白=L2、黒=L3 に割り当てる - 負荷側の端子表示(U・V・W や L1・L2・L3)に対応させて接続
- 相順チェッカーで正相(正しい相順)になっているか確認
- モーターを試運転し、回転方向を目視で確認
この手順を守れば、「色だけを頼りにして逆相になる」リスクを大きく減らすことができます。
ステップ4:新色(茶・黒・灰・青・緑黄)は「将来の標準」として覚えておく
最近の教科書や資格試験では、IEC(国際電気標準会議)の考え方に合わせた新相色が使われています。
- L1(相1)= 茶(Brown)
- L2(相2)= 黒(Black)
- L3(相3)= 灰(Grey)
- N(中性線)= 青(Blue)
- PE(アース)= 緑/黄(Green/Yellow)
これは IEC 60446 / IEC 60445 系列の国際規格で示されている色使いで、欧州を中心に広く採用されています。
日本の現場では、いまも旧色が中心ですが、新設・改修工事、国際規格対応の設備では新色が採用されるケースも増えています。
そのため、「旧色(赤白黒)」と「新色(茶黒灰)」のどちらで配線されているかを図面・仕様書で確認できるようにしておくと安心です。
ステップ5:現場レポート(Genba Report)
ケース:発電機(U・V・W)と赤白黒ケーブルの接続で混乱した例
イベント現場で三相200Vを立ち上げる際、次のような状況がありました。
- 発電機側:端子表示は U・V・W
- ケーブル:赤・白・黒+緑 の旧色
- 負荷側機器:端子表示は U・V・W
スタッフからは「赤=U、白=V、黒=W でいいよね?」と、色だけで判断しようとする声が上がり、逆相の危険がある状態でした。
当社スタッフが立ち会い、次のように整理しました。
- 発電機側の U・V・W を L1・L2・L3 に読み替え
- ケーブル側の割り当てを次のように統一
- 赤 → L1(U)
- 白 → L2(V)
- 黒 → L3(W)
- 負荷側の U・V・W 端子に対応させて接続
- 相順チェッカーで正相を確認
- モーターの回転方向を確認してから本番運転へ移行
教訓:
色合わせではなく、「記号(U・V・W/L1・L2・L3)を基準」に接続し、色はその結果として確認する。
これが、現場でのトラブルを最小限にする近道です。
ステップ6:発電くんからのアドバイス

発電くん:
「ケーブルの色はたしかに目安になるけど、色だけで判断するのは危ないんだ。
特に三相200Vでは、相順チェッカーと端子の記号をしっかり確認してから電源を入れてね!
日本の現場では、端子やケーブルを左から『赤・白・黒』でそろえておくと、だれが見ても分かりやすいよ。」
まとめ:現場で迷わないためのチェックリスト
- 現場では今でも赤・白・黒+緑(旧色)のケーブルが主流
- 発電機の出力端子はU・V・W 表示が多い
- 端子やケーブルを左から「赤・白・黒」にそろえると誤接続が少なくなる(ただし相順確認は必須)
- 色ではなく、端子記号(U・V・W/L1・L2・L3)を基準に考える
- 三相では必ず相順チェッカーで正相・逆相を確認する
- 新色(茶・黒・灰・青・緑黄)は、国際規格に沿った「将来の標準」として頭に入れておく
- 色の細かいルールは、電力会社・官庁・設計仕様書ごとに異なる場合があるので、必ず図面・仕様を確認する
発電機とケーブルの選び方・つなぎ方で迷ったら、現場条件(容量・距離・負荷内容)とあわせて、ぜひお気軽にご相談ください。
⚠️ 法令・通達は改正される場合があります。最新情報は必ず所轄官庁の公表資料や、関係する規格・標準仕様書をご確認ください。
参考:電線色に関する主な規格・資料(外部リンク)
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