【教えて発電くん!】3つのポイントでわかる 発電機(非常用・可搬型)と「振動規制」
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教えて発電くん!3つのポイントでわかる 発電機(非常用・可搬型)と「振動規制」
前回は「騒音」。今回は続編として、発電機を「どこに置くか」を中心に、振動で迷わないポイントだけまとめます。
▼ 前回(騒音)はこちら
教えて発電くん!3つのポイントでわかる 発電機(非常用・可搬型)と騒音規制法
※本記事の内容・法令情報は、2025年10月時点の公表資料にもとづいています(リンク先は2025年12月17日閲覧)。
⚠️ 法令・通達は改正される場合があります。最新情報は必ず所轄官庁の公表資料をご確認ください。
結論:振動は「発生源(発電機+補機)×伝わり方×評価位置」で決まります(3つだけ)
発電機の振動は“機械の性能だけ”で決まりません。実務では「伝わり方(地盤・据付)」と「評価位置(境界)」で差が出やすいので、まずは次の3点だけ押さえるのが安全です。
- 発生源(発電機+補機):常設では、発電機本体より補機(例:圧縮機 7.5kW以上)が「特定施設」になるかが論点になることがある
- 伝わり方(設置・地盤):地面・仮設デッキ・固定状態で体感もクレームも変わる(柔らかい地盤・仮設床は要注意/防振材も有効)
- 評価位置(測る場所):基本は敷地境界線上。さらに学校・病院等の周囲おおむね50mは最大で5dB厳しく(=基準値から5dB減)できる仕組みがある
発電くんメモ:振動の相談は「機械が悪い」よりも、置き場所(地面・境界・夜間)で決まることが多いよ!
1)まず「置く場所」を3つに分ける(ここが最重要)
振動は、振動規制法(昭和51年法律第64号)の枠組みで整理します。
- (A)工場・事業場に常設:発電機本体より、設備の一部にある圧縮機(7.5kW以上)が「特定施設」になるかが論点
- (B)建設現場(工事):発電機の設置より、工事工程に特定建設作業があるかが論点
- (C)イベント(短期):法令だけでなく会場ルール+近隣配慮(境界から離す・夜間を避ける)が実務の主戦場
2)「どこで評価される?」:基本は“敷地境界線上”
振動の基準は、敷地境界線上での考え方が基本です。まず「境界に近い側」を起点に設置位置を決めるのが安全です。
基準(国の告示で示された範囲)
| 区域区分 | 昼間(範囲) | 夜間(範囲) |
|---|---|---|
| 第一種区域 | 60dB以上65dB以下 | 55dB以上60dB以下 |
| 第二種区域 | 65dB以上70dB以下 | 60dB以上65dB以下 |
- 昼/夜の時間帯は、告示備考の範囲(開始:午前5〜8時、終了:午後7〜10時の選択肢)で運用
- 学校・保育所・病院等の周囲おおむね50mは、自治体が最大で5dB厳しく(=基準値から5dB減)できる仕組みあり
根拠(環境省):
・特定工場等において発生する振動の規制に関する基準(環境庁告示第90号)
3)「置き場所の決め方」:現場で迷わない5チェック
- 境界から離せるだけ離す(まずは“境界に近い側”を意識)
- 地面の状態を確認:柔らかい地盤・仮設デッキは振動が出やすい
- 防振材を敷く:ゴムマット等で伝搬を減らす(置ける範囲で)
- 夜間運転は慎重に:住宅近接+夜間はトラブルになりやすい
- 移設できる余地を残す:当日クレームが出たときに“動かせる”のが最強
現場レポート(よくある3例)
現場レポート①(境界が近いときの“あるある”)
発電機を「搬入口の都合」で境界側に寄せたら、近隣から「夜に床がブルブルする」と連絡。
→ 対応は ①境界からできるだけ離す → ②建物や構造物の反対側へ回す → ③夜間は運転時間を見直す の順で改善しやすいです。
“当日動かせる余地”を残した配置が、結局いちばん強いです。
現場レポート②(仮設デッキが鳴る)
発電機自体は問題なさそうなのに、仮設デッキ上だと「ビリビリ音」が増えるケース。
→ 原因は発電機ではなく 床の共振 のことが多いです。
対応は ①デッキから降ろして地面へ(最優先)/難しければ ②支点(根太・支保工)に近い位置へ寄せる/ ③防振材は“沈み込み・ぐらつき”が出ない範囲で選ぶ、が効きやすいです。
現場レポート③(補機・周辺機器で体感が跳ねる)
発電機は同じでも、接続している機器(ポンプ・コンプレッサ等)の運転条件で体感が変わることがあります。
→ 「発電機が悪い」と決め打ちせず、①発電機単体運転 → ②負荷を段階的に入れる → ③どのタイミングで増えるか を切り分けると原因が見えます。
その上で、境界からの離隔と地面・据付の安定化を優先すると、現場は収まりやすいです。
4)「手続きいる?」:場所が決まったら、期限だけ確認
- 常設(特定施設):原則30日前まで
- 建設工事(特定建設作業):原則7日前まで(例外あり。自治体で要確認)
- 電気工作物に該当:振動規制法第18条の整理により、相当規定(電気事業法等)で扱う趣旨。案件により産業保安監督部等へ早めに相談
参考:
・環境省 手続案内(振動規制法に関する手続)
・神奈川県:特定建設作業(7日前、振動規制法第14条)
・環境省通達:振動規制法の施行について(第18条の趣旨)
・経済産業省:電気設備の申請・届出等の手引き
最終判断は、設置場所・運転時間・周辺環境・設備区分で変わります。計画初期に、自治体(環境担当)と、必要に応じて産業保安監督部等へ確認してください。
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