2026.03.02

発電機と高調波(こうちょうは)|現場で起きる「不調」の正体【教えて発電くん!】

最終更新日:2026.03.02
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発電機と高調波(こうちょうは)|現場で起きる「不調」の正体【教えて発電くん!】

※本記事は 情報整理:2026年2月時点の公表資料・一般的な電気工学の知見をもとに作成しています。

発電機と高調波(こうちょうは)|現場で起きる「不調」の正体【教えて発電くん!】

発電くん

発電くん「今日は高調波! “kWは余裕なのに不安定” みたいな現場トラブル、これが関係してることが多いんだ。」

▶ コラム一覧:発電くんコラム一覧

✅ 工場のBCP対策:災害・停電の前に「発電機レンタルの事前協議(優先手配に向けた段取り)」をしませんか?

緊急時は手配が集中し、発電機だけでなくケーブル/分電/燃料まで含めた準備が遅れがちです。
平時に必要容量・設置条件・稼働時間(燃料運用)を整理して、復旧を早める体制を一緒に作ります。

※フォーム冒頭に「BCP事前協議」または「緊急/災害」と記載し、拠点(市区町村)・想定稼働時間・重要負荷(分かる範囲)を添えてください。

まず結論:高調波(ハーモニクス)って何?

高調波は、電源の基本の周波数(50Hz/60Hz)に対して、3倍・5倍・7倍…の「速い波」成分が混ざり、電圧や電流の波形が正弦波(きれいな波)から歪(ゆが)む現象です。
主因は、UPS・インバータ・LED・スイッチング電源などの非線形負荷が、電流をトゲ状(断続的)に吸い込むこと。これにより高調波電流が増え、電源側の条件(インピーダンス)によっては電圧波形のひずみとして現れ、UPS警報やチラつき、誤動作につながることがあります。

現場で最初に見る3点(超重要)

  • 負荷の方式:UPS/VFD(インバータ)/LED大量/充電器群が多いか
  • kWだけで見ていないか:kVA余裕、力率、突入・変動まで整理できているか
  • 相の偏り:単相負荷が片寄っていないか(相分散できるか)

※商用系統ではガイドラインや技術指針で整理しますが、発電機現場ではまず「症状の再現(順番投入)」と「負荷の洗い出し」が近道です。

▶ 関連:発電機によく使われる用語集(THD・高調波など)

【現場レポート】「発電機につないだらUPSが警報…」

現場レポート:仮設の可搬型発電機+照明+UPS

担当者「合計kWは余裕なのに、UPSがバイパスに入って警報が止まらないんです」

発電くん「それ、電圧の波形が“まるい正弦波”じゃなくなってるかも。原因のひとつが高調波なんだ。」

発電くん「まずは負荷の種類(UPS・インバータ・LED大量)を洗い出して、順番投入で再現するか見ていこう!」

ステップ1:高調波をもう少し詳しく(非線形負荷が「高調波電流」を作る)

交流の理想は、50Hz/60Hzのなめらかな正弦波です(これを基本波(1次)と呼びます)。
ところがUPS・インバータ・LED電源などの非線形負荷は、電流をトゲ状に吸い込みやすく、その結果、基本波に対して3次(3倍)・5次(5倍)・7次(7倍)…といった速い周波数成分(高調波成分)が増えます。
この高調波電流が電源側のインピーダンスを通ることで、電圧波形のひずみ(電圧高調波)として現れ、機器の誤動作や不安定につながることがあります。

※例:60Hzなら3次=180Hz、5次=300Hz、50Hzなら3次=150Hz、5次=250Hzというイメージです。

高調波が出やすい負荷(現場で多い例)

  • UPS(整流入力)/サーバ・通信機器の電源
  • インバータ制御(VFD)のポンプ・ファン・空調
  • LED照明(大量・調光あり)
  • 溶接機(整流・インバータ方式)/充電器
  • 舞台・映像・音響のスイッチング電源

ステップ2:なぜ「発電機だと」症状が出やすい?

商用電源に比べると、発電機は条件によって電源の“腰”(電源インピーダンス・制御の追従)が弱くなりやすいことがあります。そこへ高調波の多い負荷が乗ると、電圧波形がゆがむ → 機器が誤動作という流れが起きやすくなります。

発電くんのポイント

  • 「合計kW」だけでなく、kVA・力率・突入まで見よう
  • 高調波は電流RMSを増やし、ケーブル・ブレーカー・発電機側の発熱につながることがある
  • 単相負荷が多い現場は相の偏りでも悪化しやすい

▶ 関連:インバーター発電機とAVR発電機の違い(THDの考え方)

ステップ3:現場でよくある症状(“壊れてないのに不安定”)

  • UPSが警報/バイパス動作、精密機器が停止・再起動
  • 電圧のフラつき、LEDのチラつき、ノイズ増加
  • ブレーカー・漏電遮断器の誤動作(突入+ひずみの複合)
  • 盤・ケーブルが熱い(RMS電流増/相偏り)
  • 三相4線で単相の非線形負荷が多いと、3次などの高調波が中性線(N線)に重なり、N線が想定以上に発熱する場合がある

※安全のため、計測・結線変更・盤内作業は有資格者(電気工事士等)の管理下で実施してください。

▶ 関連:発電機の出力不安定(電圧・周波数変動)原因と対策

ステップ4:切り分けの手順(発電くん式チェック)

  1. 負荷を“方式”まで書く:機器名/台数/kWに加え「UPS」「インバータ」「LED大量」など
  2. 順番投入:問題が出やすい機器(UPS・VFD・大規模LED)を最後に入れて再現性を見る
  3. 測る:可能なら電源品質計でTHD(電圧THD・電流THD)と電圧変動を確認
  4. 相を整える:単相負荷の偏りが大きいなら、相分散(負荷の割付見直し)
  5. 対策を当てはめる:容量見直し/系統分離/リアクトル/フィルタ へ

ステップ5:対策メニュー(現場で効きやすい順)

① 分ける(効果が出やすい)

  • 高調波が多い負荷(UPS・VFD・充電器群)を別系統へ(別盤/別発電機)
  • 単相負荷は相分散して偏りを減らす

② 余裕を持たせる(kWだけで判断しない)

  • 発電機は用途によりkVA余裕を確保(負荷の性格・突入・変動を加味)

③ 発生を減らす/吸収する

  • 入力リアクトル(チョーク)やPFC付き機器の採用(常設・長期案件向け)
  • アクティブフィルタ等(規模・コスト・手配可否は要相談)

発電くん「“容量アップ”だけだと、もったいないこともあるよ。分ける/相分散/kVA余裕の組み合わせが現場では効きやすい!」

▶ 関連:発電機AVRの故障(突入・高調波がストレスになる例)

ステップ6:参考になるガイドライン・規格(リンク付き)

高調波は、現場ではガイドライン・技術指針・規格を目安に整理します(電圧区分・受電形態・対象機器の範囲により参照が変わります)。

⚠️ 法令・通達は改正される場合があります。最新情報は必ず所轄官庁の公表資料をご確認ください。

まとめ(発電くんのひとこと)

  • トラブルの近道は「合計kW」ではなく、負荷の方式(UPS・インバータ・LED大量)を見抜くこと
  • 順番投入+THD計測で、原因負荷が見つかりやすい
  • 対策は分ける/相分散/kVA余裕が基本(必要ならリアクトル・フィルタも検討)

発電くん「“現場の負荷表”をいっしょに作って、ケーブル・分電・燃料まで含めて段取りしよう!」

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