発電機と高調波(こうちょうは)|現場で起きる「不調」の正体【教えて発電くん!】
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※本記事は 情報整理:2026年2月時点の公表資料・一般的な電気工学の知見をもとに作成しています。
発電機と高調波(こうちょうは)|現場で起きる「不調」の正体【教えて発電くん!】
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発電くん「今日は高調波! “kWは余裕なのに不安定” みたいな現場トラブル、これが関係してることが多いんだ。」 |
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✅ 工場のBCP対策:災害・停電の前に「発電機レンタルの事前協議(優先手配に向けた段取り)」をしませんか?
緊急時は手配が集中し、発電機だけでなくケーブル/分電/燃料まで含めた準備が遅れがちです。
平時に必要容量・設置条件・稼働時間(燃料運用)を整理して、復旧を早める体制を一緒に作ります。
※フォーム冒頭に「BCP事前協議」または「緊急/災害」と記載し、拠点(市区町村)・想定稼働時間・重要負荷(分かる範囲)を添えてください。
まず結論:高調波(ハーモニクス)って何?
高調波は、電源の基本の周波数(50Hz/60Hz)に対して、3倍・5倍・7倍…の「速い波」成分が混ざり、電圧や電流の波形が正弦波(きれいな波)から歪(ゆが)む現象です。
主因は、UPS・インバータ・LED・スイッチング電源などの非線形負荷が、電流をトゲ状(断続的)に吸い込むこと。これにより高調波電流が増え、電源側の条件(インピーダンス)によっては電圧波形のひずみとして現れ、UPS警報やチラつき、誤動作につながることがあります。
現場で最初に見る3点(超重要)
- 負荷の方式:UPS/VFD(インバータ)/LED大量/充電器群が多いか
- kWだけで見ていないか:kVA余裕、力率、突入・変動まで整理できているか
- 相の偏り:単相負荷が片寄っていないか(相分散できるか)
※商用系統ではガイドラインや技術指針で整理しますが、発電機現場ではまず「症状の再現(順番投入)」と「負荷の洗い出し」が近道です。
【現場レポート】「発電機につないだらUPSが警報…」
現場レポート:仮設の可搬型発電機+照明+UPS
担当者「合計kWは余裕なのに、UPSがバイパスに入って警報が止まらないんです」
発電くん「それ、電圧の波形が“まるい正弦波”じゃなくなってるかも。原因のひとつが高調波なんだ。」
発電くん「まずは負荷の種類(UPS・インバータ・LED大量)を洗い出して、順番投入で再現するか見ていこう!」
ステップ1:高調波をもう少し詳しく(非線形負荷が「高調波電流」を作る)
交流の理想は、50Hz/60Hzのなめらかな正弦波です(これを基本波(1次)と呼びます)。
ところがUPS・インバータ・LED電源などの非線形負荷は、電流をトゲ状に吸い込みやすく、その結果、基本波に対して3次(3倍)・5次(5倍)・7次(7倍)…といった速い周波数成分(高調波成分)が増えます。
この高調波電流が電源側のインピーダンスを通ることで、電圧波形のひずみ(電圧高調波)として現れ、機器の誤動作や不安定につながることがあります。
※例:60Hzなら3次=180Hz、5次=300Hz、50Hzなら3次=150Hz、5次=250Hzというイメージです。
高調波が出やすい負荷(現場で多い例)
- UPS(整流入力)/サーバ・通信機器の電源
- インバータ制御(VFD)のポンプ・ファン・空調
- LED照明(大量・調光あり)
- 溶接機(整流・インバータ方式)/充電器
- 舞台・映像・音響のスイッチング電源
ステップ2:なぜ「発電機だと」症状が出やすい?
商用電源に比べると、発電機は条件によって電源の“腰”(電源インピーダンス・制御の追従)が弱くなりやすいことがあります。そこへ高調波の多い負荷が乗ると、電圧波形がゆがむ → 機器が誤動作という流れが起きやすくなります。
発電くんのポイント
- 「合計kW」だけでなく、kVA・力率・突入まで見よう
- 高調波は電流RMSを増やし、ケーブル・ブレーカー・発電機側の発熱につながることがある
- 単相負荷が多い現場は相の偏りでも悪化しやすい
ステップ3:現場でよくある症状(“壊れてないのに不安定”)
- UPSが警報/バイパス動作、精密機器が停止・再起動
- 電圧のフラつき、LEDのチラつき、ノイズ増加
- ブレーカー・漏電遮断器の誤動作(突入+ひずみの複合)
- 盤・ケーブルが熱い(RMS電流増/相偏り)
- 三相4線で単相の非線形負荷が多いと、3次などの高調波が中性線(N線)に重なり、N線が想定以上に発熱する場合がある
※安全のため、計測・結線変更・盤内作業は有資格者(電気工事士等)の管理下で実施してください。
ステップ4:切り分けの手順(発電くん式チェック)
- 負荷を“方式”まで書く:機器名/台数/kWに加え「UPS」「インバータ」「LED大量」など
- 順番投入:問題が出やすい機器(UPS・VFD・大規模LED)を最後に入れて再現性を見る
- 測る:可能なら電源品質計でTHD(電圧THD・電流THD)と電圧変動を確認
- 相を整える:単相負荷の偏りが大きいなら、相分散(負荷の割付見直し)
- 対策を当てはめる:容量見直し/系統分離/リアクトル/フィルタ へ
ステップ5:対策メニュー(現場で効きやすい順)
① 分ける(効果が出やすい)
- 高調波が多い負荷(UPS・VFD・充電器群)を別系統へ(別盤/別発電機)
- 単相負荷は相分散して偏りを減らす
② 余裕を持たせる(kWだけで判断しない)
- 発電機は用途によりkVA余裕を確保(負荷の性格・突入・変動を加味)
③ 発生を減らす/吸収する
- 入力リアクトル(チョーク)やPFC付き機器の採用(常設・長期案件向け)
- アクティブフィルタ等(規模・コスト・手配可否は要相談)
発電くん「“容量アップ”だけだと、もったいないこともあるよ。分ける/相分散/kVA余裕の組み合わせが現場では効きやすい!」
ステップ6:参考になるガイドライン・規格(リンク付き)
高調波は、現場ではガイドライン・技術指針・規格を目安に整理します(電圧区分・受電形態・対象機器の範囲により参照が変わります)。
- ガイドラインの背景・全体像(国内):JEMA刊行物(概要ページ+PDF)
参考:JEMA刊行物ページ(高調波抑制対策 万全ですか!?) / PDF - 運用・計算の考え方(国内):高調波抑制対策要否の判断と流出電流の計算(JEAG 9702の考え方に基づく解説)
参考:日本電気技術者協会(要否判断と流出電流計算の解説) - メーカー資料の説明例(目標レベルの記載例):高調波環境目標レベル(例:6.6kVで5%、特別高圧で3%)の説明を含む資料例
参考:資料例(高調波抑制対策技術指針について) - 低圧機器の枠組み(試験・限度値の概観):IEC 61000-3-2 / JIS C 61000-3-2 関連(対象電流範囲など前提あり)
参考:OKIエンジニアリング(電源高調波の概要) / HIOKI(高調波試験規格の整理) - 需要家向けガイドラインの概要資料例(国内の背景整理として)
参考:資料例(高調波抑制対策ガイドライン概要) - 海外で参照される目安:IEEE Std 519(PCCでの高調波管理の考え方)
参考:IEEE 519-2014 解説資料例 - 補足(背景説明):インバータ機器と高調波抑制の解説ページ
参考:JEMA(汎用インバータ等の高調波抑制対策について)
⚠️ 法令・通達は改正される場合があります。最新情報は必ず所轄官庁の公表資料をご確認ください。
まとめ(発電くんのひとこと)
- トラブルの近道は「合計kW」ではなく、負荷の方式(UPS・インバータ・LED大量)を見抜くこと
- 順番投入+THD計測で、原因負荷が見つかりやすい
- 対策は分ける/相分散/kVA余裕が基本(必要ならリアクトル・フィルタも検討)
発電くん「“現場の負荷表”をいっしょに作って、ケーブル・分電・燃料まで含めて段取りしよう!」
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