EV充電①発電機でEV充電は可能?災害時や移動充電に活用できる新たな選択肢
- 知識

発電機でEV充電は可能?
移動充電の現場実践ガイド
1.結論:発電機でEV充電は条件を満たせば可能!
一定の条件をクリアすれば、発電機からEVの普通充電(200V)を行うことは可能です。
ただし、「全ての発電機・全ての充電器で簡単にできるわけではありません」。必ず守るべきポイントがあります。
2.発電機でEV充電を可能にするポイント
- 発電機の容量:充電器の消費電力(3kWや6kWなど)より2~3割余裕を持って10kVA以上を推奨。
- 波形品質:EV充電器は「正弦波」電源を要求。インバーター式発電機を推奨。
- 電圧・相数の一致:(例:単相200V充電器には単相200V出力の発電機を選ぶ)
- アース・絶縁対策:EV充電器の絶縁監視機能が働くため、絶縁トランスや仮設接地が必要な場合が多い。
- 法令順守・安全対策:電気設備技術基準や自治体ガイドラインに従う。
これらの条件を満たしていれば、発電機でEV充電は現場で実際に行われています。
3.始動負荷と電圧降下は大丈夫?
普通充電器(6kWタイプ)なら、10kVA以上の発電機を選べば始動負荷(突入電流)も基本的に問題ありません。
ただし容量ギリギリの発電機(例:8kVA)では、始動時や突入時に一時的な電圧降下が発生し、EV充電器がエラーになるリスクがあります。
余裕のある容量選定(10kVA以上推奨)が、安定運転とトラブル防止のカギです。
4.回生電流(回生ブレーキ時の逆流)は心配不要
EV充電中、発電機や充電器側に「回生電流」が流れることはありません。
回生電流はEVが走行中に発生する現象であり、充電時は発電機→充電器→EVバッテリーへ一方向のみ電流が流れます。
また、充電器には逆流防止回路が内蔵されており、現場で特別な対策は不要です。
5.【100kVA発電機ならEVの急速充電はできる?】
結論:100kVA発電機があれば、技術的には50kWクラスの急速充電器に対応できますが、実運用には多くのハードルがあります。
◆技術的なポイント
- 100kVA(約80kW)の発電機なら、最大50kWクラスの急速充電器へ十分な電力供給が理論上可能です。
- EVの急速充電器(DC)は三相200Vの大電流が必要。発電機も三相出力・安定した電圧波形が絶対条件です。
- 発電機のAC(交流)をDC(直流)へ変換する急速充電器が必要です。多くの場合、この充電器が内部でAC→DC変換(整流)を行うため、外部パワーコンディショナーは不要です。
- 高出力運用には電気工事士資格者による設置・安全管理、厳重な絶縁・アース対策が必要です。
6.【発電機でEV急速充電を行う場合、パワーコンディショナー(パワコン)は必要?】
結論:ほとんどの場合、パワコン(パワーコンディショナー)は不要です。
現在のEV用「急速充電器(DC)」は、内部に三相AC→DC変換機能(整流回路)を搭載しているため、発電機(三相200V AC出力)を直接接続できます。
◆現場での接続イメージ
- 三相発電機(200V AC出力)
- ↓(直接接続)
- EV用急速充電器(内部でAC→DC変換)
- ↓
- EV車両(DC充電)
◆例外・注意点
- 一部の特殊な急速充電器(特に海外製や業務用大型タイプなど)にはDC入力専用型が存在し、この場合は外部のパワーコンディショナー(AC→DC変換装置)が必要となります。
- 現場での導入時は、必ず充電器の仕様書・メーカー案内を確認してください。
◆まとめ
発電機からEV急速充電器へは原則パワコン不要ですが、DC入力専用機などの例外も存在します。
仕様が不明な場合や不安がある場合は、必ず専門業者やメーカーに確認することをおすすめします。
7.波形の安定した発電機ならEV充電はより確実?
結論:はい、波形(出力電圧・周波数)が安定した発電機であれば、EV充電器はより確実・安定して動作します。
◆ 理由と現場でのメリット
- EV充電器は「きれいな正弦波」や「安定した電圧・周波数」を要求するため、インバーター式発電機や三相同期発電機が最適です。
- 波形が悪い(歪みが大きい)発電機や負荷変動が激しい場合、充電器がエラー停止・充電不可になるリスクがあります。
- 波形品質の高い発電機を使えば、EV充電器が正しく判定し、安定して充電開始・完了しやすくなります。
◆ まとめ
「波形が安定した発電機」=EV充電の“現場トラブル回避”に直結します。
迷った場合は、インバーター発電機や大手メーカーの三相同期発電機を選択すると安心です。
安定性が不足する場合、充電エラーや充電不可となるケースもあるため、発電機選定時は「波形品質」も必ず確認しましょう。
8.波形のきれいな発電機ならインバータ式でなくてもOK?
結論:波形品質が十分に高ければ、必ずしも“インバーター式”である必要はありません。
高品質な三相同期発電機や大手メーカーの正弦波発電機(商用電源レベルの安定性・低歪み)であれば、EV充電器も正常に動作します。
◆ 補足と現場での注意点
- インバータ式発電機は「波形品質のバラつきが少なく、安定した正弦波」を出せるため、どんな現場でもトラブルが少ないことが最大のメリットです。
- 一方、三相同期発電機などでも波形がきれい(歪み・ノイズが小さい、電圧や周波数が安定)なら、EV充電器に問題なく使えます。
- 古い発電機やメンテナンス不良の機種、または低価格帯の簡易型は、波形が乱れることが多く、充電器エラーの原因になる場合があります。
- 不安な場合は、メーカー仕様書で「総合高調波歪率(THD)」や「電圧・周波数安定性」を必ず確認しましょう。
◆ まとめ
「インバータ=必須」ではなく、「きれいな正弦波・安定した波形」の発電機ならどちらでも使用可能です。
選定時は「波形品質」を重視し、スペックや現場実績を必ずチェックしましょう。
9.EV充電用 発電機容量 早見表
EV充電器の定格出力 | 最低限必要な発電機容量 | 推奨容量(目安) | より安心・安定運用 |
---|---|---|---|
3kW(単相) | 4~5kVA | 6kVA以上 | 8kVA以上 |
6kW(単相/三相) | 8kVA | 10kVA以上 | 12~15kVA |
9kW(三相) | 12kVA | 15kVA以上 | 18~20kVA |
普通充電(6~9kW) +他の機器も使用 |
– | 15kVA以上 | 20kVA以上 |
急速充電(20kW~50kW) | 30~65kVA | 40~80kVA | 100kVA以上 |
※上記は「安定・安全運用」の目安です。実際の必要容量は、現場の他負荷・同時使用機器・気温等によっても変動します。
迷った場合は「ワンランク上」の容量を選定してください。
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