2025.04.01
EV充電②発電機でEV充電は可能?災害時や移動充電に活用できる新たな選択肢
最終更新日:2025.07.08
- 知識

発電機でEV充電は可能?
災害時や移動充電に活用できる新たな選択肢
EV充電器の起動負荷は大丈夫?80%運用で安心できる理由
起動負荷とは
機器を起動した瞬間、一時的に大きな電流(突入電流)が流れる現象です。
モーターやポンプでは特に顕著ですが、EV普通充電器は起動時の電流がなだらかになるよう設計されています。
EV充電器は起動電流が小さい
EV普通充電器はインバーター回路を内蔵し、充電開始時もソフトスタート方式が一般的。
EVと充電器は通信し合い(例:J1772など)、充電が段階的にスタートします。
- 充電開始前にEV側から制御信号が送られ、急激な突入電流が発生しにくい設計です。
- CHAdeMOやCCS急速充電器もソフトスタートで起動負荷を抑制しています。
- 一部機種は力率(PF)が低めなため、kWだけでなく皮相電力(kVA)を必ず確認しましょう。
発電機は定格出力の80%以内で使うのが基本
発電機は、定格出力の80%以内での運用が推奨されます。
余裕を持つことで突入電流にも十分対応でき、安定運転・過負荷防止・発電機の寿命維持に有効です。
発電機 | 定格出力 | 推奨運用出力(80%) | 適合充電器 |
---|---|---|---|
10kVA | 8kW | 6.4kW | 6kWの普通充電器 |
注意が必要なケース
- 複数の充電器を同時に動かす場合
- 照明・ポンプ等と併用し、合計負荷が大きくなる場合
- 小型発電機の利用や、波形が乱れやすい機種を使う場合
EV充電の接続構成例(発電機利用時)
災害現場や電源のない場所では、発電機によるEV充電が実用的です。
下図はその代表的な構成イメージです。
絶縁トランスはEV充電器の絶縁監視装置との兼ね合いで必要な場合があります。
仮設アースやブレーカー等の保護装置も必ずご準備ください。
構成例:
発電機 →(必要に応じ絶縁トランス)→ EV充電器 → EV車両
+仮設アース・保護装置
まとめ
EV普通充電器は起動負荷が比較的軽く、発電機出力の80%以内に設計すれば安定運転が可能です。
過負荷や誤動作を防ぐため、波形品質にも配慮しましょう。
複数負荷・他機器併用時は特に、容量と負荷管理が重要です。
当社では、現場に合わせた発電機選定・負荷試算サポートも行っています。
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