2025.05.08

発電機!負荷計算の正しい方法とは?教えて発電くん!

最終更新日:2025.05.08
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発電機!負荷計算の正しい方法とは?教えて発電くん!

教えて発電くん!負荷計算の正しい方法とは?

発電くんキャラクター

こんにちは、発電くんです!
今回は、発電機を選ぶときに欠かせない「負荷計算」の具体的な方法について、現場のプロ向けに詳しく解説します。
建設現場やイベント、災害時の電源確保において、適切な発電機容量を見積もることは非常に重要です。

■ そもそも負荷計算とは?

負荷計算とは、使用する機器の電力消費量を合算し、必要な発電機容量(kVAやkW)を算出する作業です。
容量が不足すると起動不能・ブレーカー遮断・電圧不安定などのトラブル原因となります。

■ 基本式:負荷の合計を求める

機器ごとの負荷は、以下のように整理します。

表1:使用機器一覧と定格
機器名 定格出力 台数 起動電流 備考
投光器 500 W 10 台 なし 常時使用
電動工具 1.2 kW 3 台 あり 瞬時起動あり
換気扇 200 W 5 台 常時稼働

上記をもとに以下を計算します:

① 負荷の合計(常用)
   = 500W × 10 + 1200W × 3 + 200W × 5
   = 5000 + 3600 + 1000 = 9.6 kW

② 起動電流補正
   電動工具(モーター)は起動時に 3〜7 倍の電流が流れることも。
   例では補正係数 2.5 を適用
   補正後合計
   = 5000 + (1200 × 3 × 2.5) + 1000
   = 5000 + 9000 + 1000 = 15 kW 相当

■ 起動電流倍率の目安

表2:主な機器と起動電流倍率
機器カテゴリ 起動電流倍率の目安 備考
インバーター電動工具 2 – 3 倍 グラインダー・丸ノコなど
ハンマードリル/ブレーカー 4 – 6 倍 大電流の突入あり
コンプレッサー・ポンプ 5 – 7 倍 トルク大、力率低め

▼ 起動電流の補正イメージ

起動時に電流が一時的に跳ね上がる様子を、下の図で視覚化しています。

起動電流の補正イメージ

■ kWとkVAの違いも重要!

発電機の容量は kVA(皮相電力)で表されますが、負荷は kW(有効電力)で表すことが多いです。
一般的に力率を 0.8 とすると、次式が成り立ちます。

kW = kVA × 力率(0.8)

15 kW の負荷に対し必要な発電機容量は:

必要kVA = 15kW ÷ 0.8 = 18.75 kVA ⇒ 余裕を見て 20 kVA 以上 を選定

■ ワット ⇄ アンペア換算早見

表3:簡易電流換算式
系統 電流[A] の求め方
単相100 V I = W ÷ 100
単相200 V I = W ÷ 200
三相200 V(力率0.8) I = (kW × 1000) ÷ (√3 × 200 × 0.8)

参考:補正後 15 kW を三相200 Vで使用する場合の相電流は
I ≒ (15 000) ÷ (1.732 × 200 × 0.8) ≒ 54 A

■ 現場レポート:建設現場の例

発電くん 【Genba Report】

ある建設現場では、電動ハンマー・投光器・充電機器が混在して使用されていました。
電動ハンマーの突発的な起動負荷が想定より大きく、20 kVA 発電機では電圧が不安定に。
最終的に 25 kVA クラスへ切替え、安定供給を実現できました。

■ 計算のポイントまとめ

  • 機器ごとの定格出力と台数を把握
  • モーター系の起動電流を補正(目安表を活用)
  • 合計 kW → kVA 換算(力率0.8が目安)
  • 常用負荷80%以内&ケーブル許容電流を確認

■ よくあるQ&A

Q:力率は0.8固定でいい?
A:モーターや蛍光灯では 0.6〜0.75 の場合も。実測値があればそれを優先。
Q:同時使用しない機器も全部合算する?
A:同時使用する負荷だけで計算。シーンごとのピークを想定するのがポイント。

■ まとめ

負荷計算は、現場の電源トラブルを避ける最も基本かつ重要な工程です。
モーターなど突発的に大電流が流れる機器がある場合は、実際の使用状況を想定し余裕ある発電機選定を行いましょう。

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