発電機!負荷計算の正しい方法とは?教えて発電くん!
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教えて発電くん!負荷計算の正しい方法とは?
こんにちは、発電くんです!
今回は、発電機を選ぶときに欠かせない「負荷計算」の具体的な方法について、現場のプロ向けに詳しく解説します。
建設現場やイベント、災害時の電源確保において、適切な発電機容量を見積もることは非常に重要です。
■ そもそも負荷計算とは?
負荷計算とは、使用する機器の電力消費量を合算し、必要な発電機容量(kVAやkW)を算出する作業です。
容量が不足すると起動不能・ブレーカー遮断・電圧不安定などのトラブル原因となります。
■ 基本式:負荷の合計を求める
機器ごとの負荷は、以下のように整理します。
機器名 | 定格出力 | 台数 | 起動電流 | 備考 |
---|---|---|---|---|
投光器 | 500 W | 10 台 | なし | 常時使用 |
電動工具 | 1.2 kW | 3 台 | あり | 瞬時起動あり |
換気扇 | 200 W | 5 台 | 小 | 常時稼働 |
上記をもとに以下を計算します:
① 負荷の合計(常用) = 500W × 10 + 1200W × 3 + 200W × 5 = 5000 + 3600 + 1000 = 9.6 kW ② 起動電流補正 電動工具(モーター)は起動時に 3〜7 倍の電流が流れることも。 例では補正係数 2.5 を適用 補正後合計 = 5000 + (1200 × 3 × 2.5) + 1000 = 5000 + 9000 + 1000 = 15 kW 相当
■ 起動電流倍率の目安
機器カテゴリ | 起動電流倍率の目安 | 備考 |
---|---|---|
インバーター電動工具 | 2 – 3 倍 | グラインダー・丸ノコなど |
ハンマードリル/ブレーカー | 4 – 6 倍 | 大電流の突入あり |
コンプレッサー・ポンプ | 5 – 7 倍 | トルク大、力率低め |
▼ 起動電流の補正イメージ
起動時に電流が一時的に跳ね上がる様子を、下の図で視覚化しています。
■ kWとkVAの違いも重要!
発電機の容量は kVA(皮相電力)で表されますが、負荷は kW(有効電力)で表すことが多いです。
一般的に力率を 0.8 とすると、次式が成り立ちます。
kW = kVA × 力率(0.8)
15 kW の負荷に対し必要な発電機容量は:
必要kVA = 15kW ÷ 0.8 = 18.75 kVA ⇒ 余裕を見て 20 kVA 以上 を選定
■ ワット ⇄ アンペア換算早見
系統 | 電流[A] の求め方 |
---|---|
単相100 V | I = W ÷ 100 |
単相200 V | I = W ÷ 200 |
三相200 V(力率0.8) | I = (kW × 1000) ÷ (√3 × 200 × 0.8) |
参考:補正後 15 kW を三相200 Vで使用する場合の相電流は
I ≒ (15 000) ÷ (1.732 × 200 × 0.8) ≒ 54 A
■ 現場レポート:建設現場の例
【Genba Report】
ある建設現場では、電動ハンマー・投光器・充電機器が混在して使用されていました。
電動ハンマーの突発的な起動負荷が想定より大きく、20 kVA 発電機では電圧が不安定に。
最終的に 25 kVA クラスへ切替え、安定供給を実現できました。
■ 計算のポイントまとめ
- 機器ごとの定格出力と台数を把握
- モーター系の起動電流を補正(目安表を活用)
- 合計 kW → kVA 換算(力率0.8が目安)
- 常用負荷80%以内&ケーブル許容電流を確認
■ よくあるQ&A
- Q:力率は0.8固定でいい?
- A:モーターや蛍光灯では 0.6〜0.75 の場合も。実測値があればそれを優先。
- Q:同時使用しない機器も全部合算する?
- A:同時使用する負荷だけで計算。シーンごとのピークを想定するのがポイント。
■ まとめ
負荷計算は、現場の電源トラブルを避ける最も基本かつ重要な工程です。
モーターなど突発的に大電流が流れる機器がある場合は、実際の使用状況を想定し余裕ある発電機選定を行いましょう。
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