発電機に使う電線の選別方法:安全で効率的な運用のために
- 知識
発電機に適した電線を選ぶ重要性
発電機を安全に、そしてムダなく使うためには「どの電線を使うか」がとても大切です。電線が細すぎたり、用途に合っていない電線を使うと、発熱・漏電・最悪の場合は火災につながるおそれがあります。また、電圧が下がってしまい、つないだ機器が正常に動かない・故障する原因にもなります。
電線を選ぶ際の基本的なポイント
発電機に使う電線を選ぶときは、主に次の3つを考えればOKです。
- 発電機の容量に合った「電線の太さ」かどうか
- 設置場所や使い方に合った「電線の種類」かどうか
- 発電機から機器までの距離に対して「電線の長さ・太さ」が適切かどうか
1. 発電機の容量に合った電線の太さ
電線の太さ(断面積 mm²)は、発電機の出力容量に合わせて選ぶ必要があります。電線が細すぎると、流れる電流に耐えられず、電線が熱くなって危険です。
三相200Vを使う場合、200kVAクラスまでの目安は、イメージとして次のようになります。
- ~5kVAの発電機:2mm²程度の電線
- 5~10kVAの発電機:3.5mm²程度の電線
- 10~20kVAの発電機:5.5mm²程度の電線
- 20~50kVAの発電機:14mm²程度の電線
- 50~100kVAの発電機:22mm²程度の電線
- 100~150kVAの発電機:38mm²程度の電線
- 150~200kVAの発電機:60mm²程度の電線
※上記はあくまで「目安」です。実際には、電線の種類・配線方法・周囲温度・配線距離などで必要な太さが変わります。最終的な選定は、必ず電気工事の有資格者や専門業者に確認してください。
2. 電線の種類
同じ太さでも、電線の「種類」によって得意な環境が違います。発電機まわりでよく問題になるポイントだけ、シンプルに整理すると次のようになります。
- 耐熱電線:温度が上がりやすい場所で使うのに向いています。電線の発熱リスクを下げたいときに有効です。
- 防水電線:屋外設置や、雨・湿気が多い場所では必須です。防水構造の電線や、防水プラグとセットで使います。
- 耐油電線:発電機付近に油や燃料がある場合に使います。油による電線の劣化を防ぎます。
- 低電圧用電線:100Vや200Vの機器用として使われる電線です。コンセント延長や単相負荷用など、用途に合った種類を選びます。
仮設配線では、取り回しのしやすいキャブタイヤケーブル(2CT・2PNCT・VCTなど)を使うことが多く、発電機~分電盤間などには600V電力ケーブル(CV・CVTなど)が使われるケースもあります。
3. 電線の長さ(距離)
発電機と機器の距離が長くなるほど、電線の抵抗による「電圧降下」が大きくなります。電圧が下がりすぎると、モーターが起動しない、照明が暗いなどのトラブルが起きやすくなります。
現場での簡単な考え方の目安は、次のとおりです。
- 距離が10m未満:電流に合った「通常の太さ」で対応可能なことが多い
- 距離が10~30m:1ランク太い電線にすると安心
- 距離が30m以上:2ランク以上太い電線や、きちんとした電圧降下計算をしたうえで選定するのがおすすめ
「モーターが多い現場」「長時間運転」「電圧がシビアな機器」がある場合は、必ず専門家に確認した方が安全です。
発電機に電線を接続する際の注意点
電線の太さや種類を正しく選んでも、接続方法が悪いと事故や故障の原因になります。次のポイントを必ず確認しましょう。
- 絶縁をしっかり行う
接続箇所は、絶縁テープや専用の絶縁キャップで確実に処理し、導体が見えない状態にします。 - 端子の締め付けを確認
端子台やプラグのネジは最後までしっかり締め、ぐらつきや緩みがないか確認します。発電機は振動があるので、定期的な点検も重要です。 - 配線の整理と保護
人や車が通る場所では、ケーブルカバーや養生マットで保護し、つまずき・踏みつけによる断線や被覆損傷を防ぎます。 - 摩耗対策
角や鉄骨など、電線がこすれそうな箇所には保護チューブやゴムシートを使い、長期使用でのすり傷・断線を防ぎます。
電線選びの失敗を防ぐためのアドバイス
次のような流れで確認すると、電線選びの失敗を減らせます。
- 発電機の取扱説明書や仕様書にある「推奨ケーブルサイズ」「出力電流」を確認する。
- つなぐ機器の容量や、起動時に大きな電流が流れる機器(モーターなど)があるかを把握する。
- 配線距離(何メートルか)と、屋内・屋外・仮設などの使用環境を確認する。
- 迷ったときは、発電機のレンタル会社や電気工事業者など、専門家に相談する。
⚠️ 法令・通達は改正される場合があります。最新情報は必ず所轄官庁の公表資料や、専門家の説明をご確認ください。
まとめ
発電機に使う電線を適切に選ぶことは、「安全に使うこと」と「トラブルを防ぐこと」の両方につながります。
- 発電機の容量に合った太さの電線を選ぶ
- 設置環境に合った電線の種類(防水・耐油・耐熱など)を選ぶ
- 距離が長いときは、電圧降下を考えて太めの電線を検討する
- 接続・絶縁・配線の保護も含めて、安全な施工を行う
少しでも不安がある場合は、自己判断せず、必ず専門家に確認しながら進めることをおすすめします。
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